- 書名
- 生命保険のウラ側
- 著者
- 後田 亨
- 出版
- 朝日新書
- 価格
- 780円
- ISBN
- 978-4-02-273323-8
- bk1
- http://www.bk1.jp/product/03235421
本日読了。『生命保険の「罠」』と同じ著者。「罠」は3年近く前の本なので、金融恐慌以前なんですよね。2冊の間に大事件を挟んでいる所為か、著者の立ち位置に微妙な変化が感じられます。
以下、雑感。
貯蓄性の保険は最早不要
確かに低金利の状態では利回りも悪いし、そもそもデフレ下では貯蓄性を持つ金融商品よりも現金貯金の方が価値が高いんだよな。
「不安を安心に変える」と宣う売り手
裏を返せば「不安を煽れば保険が売れる」という事。こういうCMを打ったり、宣伝文句を口にする営業は信用してはいけない。
AIG破綻なんかを契機に、保険会社の倒産という事を気にする人が増えた。そういうのはソルベンシーマージン率(会社の支払い余力を示す数値)や、会社の格付けを参考にすると良いが、それらの点で問題が無ければ大丈夫という事でもない。そもそもAIGはアメリカ最大手だった訳だし。
この本を読んでいて凄いと思ったのは、本書(著者)が読者に与えている強度の高い「信用の構造」。本を読んでいくと――
筆者は(ある種の)中立の立場に徹して本書を書いているように見える
↓
しかし著者本人も保険を売る立場である以上、自らの不利益になるような事は書かず利益の為に書いている筈だという疑念が発生する
↓
作者の利益は中立の立場を表明する事で自分自身に対する信頼を読者から得る事(そうすれば他の保険会社や代理店ではなく著者の所で保険を購入する人が増える)
↓
中立の立場を維持する事が著者の利益になっているならば、その「中立」には信が置ける
こういう信頼・信用循環構造が見えてくる。これは凄い。
ToDo: 「払済」について調査すること
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