- 書名
- 効率が10倍アップする新・知的生産術
- 著者
- 勝間 和代
- 出版
- ダイヤモンド社
- 価格
- 1500円
- ISBN
- 978-4-478-00203-2
- bk1
- http://www.bk1.jp/product/02951222
本日読了。『お金は銀行に預けるな』と同じ著者による著書です。僕にしては珍しい事に話題の本であるという事実を理由に購入しました。僕はいっぱい色眼鏡を持った偏見に満ちた人物だという自負があるので努力して虚心坦懐に読みました。
一通り読み終えて感じたのは、筆者と自分のスタンスの差でしょうか。僕は平均的な日本人と比較すれば効率的な生活を送るように気を配っている方だと思います(定量的な根拠はありません)。また――それが何かはともかく――知的な作業はそうでないものと比べて価値の高いものだという意識もあります。
しかし、そんな僕ですら著者の「知的生産をより多く行なう事が最高の幸福で人生の目的」とも取れるスタンスとは乖離を感じずにはいられません。その距離感は、単なるスポーツ愛好者が一流のアスリートの生き様を見た時に感じるのと同じもののような気がします。或いはウィークエンドウォリアに向っってD&Dのルールの真髄を注入せんとしているパワープレイヤとの間隙でしょうか。
筆者は自分の知的生産能力を上昇させる事に貪欲です。そのために――そんなものが存在するかどうかはともかく――平均的な日本人の目で観察するとストイックに映ります。曰く、思考力を低下させるので飲酒はしない。曰く、老化を速めるので高カロリィな食事はしない。TVを見ない。ジュースを飲まない。甘いものを取らない。本はじっくり読まず、要点だけ取らえるように速読を行なう……。
確かに筆者の教えを尽く実践していけば、その人の知的生産性は格段に上昇する事は間違いありません。しかし、それで一体何が得られるのか。金銭的な面では得る所が多いだろうとは予測できます。他には? 知的生産を行なっている事に対する幸福感でしょうか。
こういう感想を持つのは自分が小さな幸せを願っている小市民だからなのでしょうか。
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