- 書名
- 剣よ、さらば
- 著者
- A・デュマ
- 訳者
- 鈴木 力衛
- 出版
- ブッキング
- 価格
- 2000円
- ISBN
- 4-8354-4014-5
- bk1
- http://www.bk1.jp/product/02037742
本日読了。〈ダルタニャン物語〉の11巻目、最終巻です。うーん素晴しい。『ポルトスの遺言』の章もかなり感動的でしたが、やっぱり最後の最後のエピローグでしょうか。
歓喜に酔ったダルタニャンが合図すると、使者は小箱を手にして近づいて来た。だが、元帥がその小箱を眺めようと身をかがめた時、城壁の上で猛烈な爆発音が起こり、元帥の注意を町の方に向けさせた。
(中略)
ダルタニャンは腕を伸ばし、その小箱を開けようとした。その瞬間、町の方角から発射された敵の一弾が将校の腕に抱えられた箱を射ち砕き、ダルタニャンの胸の真っ只中に命中した。ダルタニャンはどうと倒れた。百合の紋章のついた元帥杖は砕け散った箱から転げ落ち、次第に力の抜けて行く元帥の手の下でぴたりと止まった。
(中略)
ダルタニャンは金の百合の花の刺繍をした元帥杖を、痙攣する手で握りしめた。すでに天を仰ぐ力をなくなった目をその元帥杖の上に向け、奇妙な言葉をつぶやきながら、ばったりと倒れた。
(中略)
「アトスよ、ポルトスよ、また会おうぜ!……アラミスよ、永遠にさようなら!」
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