2015年3月28日土曜日

【今日の読書】Master Wolf [745]

書名
Master Wolf
著者
Rose Estas
出版
価格
U.S. $3.95
ISBN

 本日読了。古本で入手しました。AD&D1 版後期に書かれた Greyhawk の Wolf Normad を舞台にした小説です。Greyhawk Adventure というシリーズ名になっていて、このシリーズが本書含め 5 冊出版されています。取り敢えずこの本は駄作でした。中古で安く取引されている理由が分かりました。

2015年3月21日土曜日

Hoard of the Dragon Queen 6 [12]

5 版キャンペーンの第 6 回です。シナリオは公式の Hoard of the Dragon Queen です。以下には大量のネタバレがあります。DM はつかださん。参加者は以下の通り。

参加キャラクタ一覧
PC 名クラス種族属性背景PL 名
エコーMonk6 (Way of the Four Elements)HumanLNSailor画伯
エルマーCleric6 (Light Domain)HumanCGNobleからくりさん
チックスWizard6 (Divinar)GnomeNGSageさるしんごさん
セラピナRogue6 (Thief)HalflingNG??ほえほえさん
グリフレットFighter6 (Battle Master)HumanCGOutlander死せる詩人

12時開始、18時終了。途中で7レベルに上昇しました。次回からはこのシナリオ最後のダンジョンに突入します。

2015年3月12日木曜日

D&D5版 能力値・技能判定について

5 版の能力値判定 (ability check) や技能判定 (skill check) はかなり単純なルールです。1d20 に能力値修正を足すだけ。もし関連する技能 (skill) に proficient していれば、proficient bonus を加算出来ます。

能力値・技能判定の目標値 (DC) も単純で 5 から 30 まで 5 刻みです。DC10 簡単、15 は普通、20 は困難、25 は極めて困難、30 はほぼ不可能という具合です。この DC の目安はキャラクタのレベルに寄らず一定です。

キャラクタのレベルによって上昇するのは proficient bonus だけで能力値は殆ど上昇しません (feat 取得をせずにひたすら能力値を上昇させればその限りではありませんが)。従って proficient していない判定については、1 レベルでも 20 レベルでも達成値に大きな差は発生しません。なので DC の目安がキャラクタレベルに依存せず一定に決まっているのです。

ポイントバイで作成したファイターの殆どは一生 Cha8 でしょうから、1 レベルでも 20 レベルでも相手を説得する Cha (Persuation) 判定 DC20 には Persuation に proficient していない限り成功する余地はありません。

逆に proficient している技能について言えば、レベル上昇と共に得意になっていく一方で DC の目安は不変なので、相対的にどんどん簡単になっていきます。Dex18 で Thieve's Tool に proficent した Rogue であれば 4 レベルの時は罠解除判定への修正値は +6 ですが、17 レベルの時は +10 になります (Expertise しているならば 4 レベルで +8、17 レベルで +16)。

とは言え proficient bonus の上昇は緩やかなので、Rogue や Bard の持つ Expertise 能力を別にすればキャラクタの判定の達成値が劇的に上昇する事はありません。先程の Rogue の例で言えば、Expertise 無しならば 4 レベルと 17 レベルで修正値は 4 しか差がありません。つまり成功確率は 20%上昇しただけです。

5 版は元々過去の版との高い親和性を意識して作られていて、実際多くの人が昔のシナリオ (モジュール) を 5 版で遊ぶのが簡単だと感じているのではないでしょうか。僕もそう感じています。

過去のどの版のシナリオを 5 版に流用するのであれ、シナリオ内に登場する判定の目標値 (2 版以前の版では DM が設定する目標値の概念は希薄ですが) を 5 版に変換する際は、キャラクタレベルとは無関係に、簡単なものならば DC10、普通なら 15、難しければ 20、かなり難しいならば 25 の 4 段階を利用すると良いかと思います。DC は必ず 5 の倍数である必要な無いので、場合によってはこの目安から 1、2 前後させれば良いでしょう。

2015年3月11日水曜日

D&D5版 武器の謎 2

気付いている人も多いと思いますが、5 版の Net はバグっています。

一つ一つルールを確認していくとそれが分かります。まずは Net の武器としての情報を再確認しましょう。

Net の基礎情報
NAMECOSTDAMAGEWEIGHTETC
Net1 gpnone3 lb.thrown (range 5/15 ft.)

Net は命中してダメージはありません。代わりに命中すると相手が Restrained になります。Net による Restrained から脱出する方法は 2 つ。1 つは Action を使って DC10 の Str 判定に成功する、もう 1 つは 5 点以上の Slashing ダメージを Net (Net の AC は 10) に与える。

重要な点は以下の 5 点です。

  • Net は Ranged Weapon である
  • Ranged Weapon は Melee Attack には使えない (Javelin 等は、投擲可能な Melee Weapon であって Ranged Weapon ではない)
  • 敵に隣接した状態で Ranged Attack をするとその命中判定に Disadvantage
  • Ranged Weapon の Long Range に攻撃する時はその命中判定に Disadvantage
  • Net は Short Range が 5ft、Long Range が 15ft

従って Net は

  • 10ft 以上 15ft 以内の敵に攻撃する時は Long Range なので当然 Disadvantage
  • 5ft 以内 (つまり隣接状態) の敵を攻撃する時は、敵に隣接した状態での Ranged Attack なので Disadvantage

という事になります。要するに常に Disadvantage です。デザイナは一体何をさせたいんでしょうね (或いは何をさせたくないんでしょうね)。

2015年3月10日火曜日

D&D5版 武器の謎

5 版の武器には不思議が多い。特に不思議なのは 3 つの槍。

NameDamageTypeRangeCostWeightEtc
Trident1d6piercing20/60ft5gp4lbversatile (d8)
Spear1d6piercing20/60ft1gp3lbversatile (d8)
Javelin1d6piercing30/120ft5sp2lb.

Trident の無価値っぷりが際立っている。この中で Trident だけが Marshal Weapon なんだけれどね……。Versatile として使わないならば Spear すら殆ど意味がない。安くて軽くて遠くまで投げられる Javelin 一択。

2015年3月7日土曜日

D&D5版 B5: Horror on the Hill

DM が出張で不在なので Revenge of the Giants のキャンペーンは中止にして、単発セッションになりました。DM はさるしんごさん。シナリオはクラシック D&D の B5 モジュール「シュリール河を越えて恐怖の丘へ」です。開始時は 1 レベル。参加者は以下の通り。

参加キャラクタ一覧
PC 名クラス種族属性背景PL 名
エージーSorcerer1Dragonborn?Criminal?つかださん
ハラールCleric (Tempest) 1HumanCGSailor六平文吾さん
フレースリークWizard1HumanCNCriminal死せる詩人
プールロティRanger1Wood Elf??いっちゃん
ヤヤFighter1Human?Sailor満月
ラグランンジェFighter1EladrinCGOutlanderからくりさん

12 時開始、18 時半終了。合計で12回戦闘しました。途中で 2、3 とレベルが上がっています。フレースリークは 1 レベル時は Human variant で Healer Feat を取得しています。高い Int (16) とそこそこの Dex (14) を活かし、Criminal Background で取得した Thivev's Tool の proficiet と併せて罠発見/ 解除も出来る様にしてあります。所謂 Arcane Spellcaster 枠ではなくて 5th man 枠として作成しています (Arcane Spellcaster 枠は Sorcerer のエージーが担っている)。なのでレベルアップ時は Wiz1 -> Wiz1/Ftr1 -> Wiz1/Ftr1/Rog1 とマルチしまくりました。

シナリオは野外の冒険で、邦題の通り河を越えた先にある丘をあちこちに歩く事になります。DM の用意した白地図を徐々に埋めて行くのはやっぱり楽しいですね。

Healer Feat は非常に強力な Feat で、これがパーティにあるとないとではパーティ編成自体が大きく変わる事がさえあるでしょう。特に変わるのは Cleric (或いは Druid か Bard) の呪文の使い方です。もし Healer Feat 取得者が存在しなければ低レベルの冒険では Cleric の呪文は殆ど回復呪文に費されるでしょう。それが Healer Feat がパーティに存在する事で改善されます。実際今回のセッションでも Cleric のハラールは回復呪文は 1 回か 2 回しか使っていない筈です。

2015年3月6日金曜日

D&D5版 両手持ちと二刀流

D&D5 版に於ける両手持ち武器 (Two-handed weapon) と二刀流 (Two-weapon fighting) のダメージ効率を比較します。先に結論を書くと二刀流の方が強いです。

まずは前提条件。比較に利用する武器は以下を用います。

両手持ち
Greatsword (2d6) 及び Greataxe (1d12)
二刀流
Shortsword (1d6) 及び Longsword (1d8)

現在の所、両手持ち武器で Finesse 属性 (Str の替わりに Dex で命中判定とダメージ修正を決められる) は存在しません。二刀流は Finesse 属性の物を使えば Dex を主たる能力にして行なう事も可能ですが Str の場合と比べて差は無いので、両手持ちにしろ二刀流にしろ今回は Str を使って計算します。

という訳でキャラクタの Str16 (+3) を前提として話を進めます。また出目 1 は自動失敗、出目 20 はクリティカルヒットである事は考慮しますが、それ以外の命中確率は考慮しません。

Magic Item は考慮に入れません。両手持ち、二刀流それぞれについて

  1. 適切な Feat も Fighting Style も取得していない素の状態
  2. 適切な Fighting Style は取得したが Feat は取得していない状態
  3. 適切な Feat は取得したが Fighting Style は取得していない状態
  4. Feat、Fighting Style 共に適切な物を取得した状態

について比較します。両手持ちで取得するのは

Fighting Style
Great Weapon Fighting
Feat
Great Weapon Master

二刀流で取得するのは

Fighting Style
Two-weapon fighitng
Feat
Dual Wielder

とします。

では、面倒ですがルールを確認しながら行きましょう。両手持ちに関しては特別なルールは殆どありません。3 版の様に両手持ちすると Str のダメージへのボーナスが増加するという事もありません。強いていうならが S サイズのキャラクタの両手持ち関するルールがありますが、今回は S サイズのキャラクタは無視します (S サイズキャラクタでの二刀流と両手持ちの比較は殆ど意味がありません。著しく両手持ちが不利です)。

二刀流に関連するルールをまとめます。そもそも二刀流は以下の条件を満せば誰にでも可能です。

  • 両手とも Light 属性の武器である事

ただしこの場合、Off-hand 側の武器ダメージには能力値のボーナスは乗りません。Fighter/Ranger の Fighting Style で Two-weapon fighting を取得すると、Off-hand 側にも能力値ボーナスが加算可能になります。また Dual Wielder の Feat を取得すると Light 属性の武器である必要も無くなります。

これで準備が整いました。それぞれ場合のダメージ期待値を見ていきましょう。

● Str16、Fighting Style、Feat 取得無し

両手持ち
Greatsword: 2d6+3 [平均値: 9.85]
Greataxe: 1d12+3 [平均値: 9.35]
二刀流
Main-hand: Shortsword 1d6+3 [平均値: 6.35]
Off-hand: Shortsword 1d6 [平均値: 3.5]
[合計: 9.85]

この状態では Greatsword の両手持ちと Shorsword 二刀流は同じ結果になりました。Greataxe は 0.5 点低くなっています。要するに 2d6 と 1d12 の期待値の差です。

● Str16、Fighting Style 取得、Feat 取得無し

両手持ち
Greatsword: 2d6+3 [平均値: 11.14]
Greataxe: 1d12+3 [平均値: 10.3]
二刀流
Main-hand: Shortsword 1d6+3 [平均値: 6.35]
Off-hand: Shortsword 1d6+3 [平均値: 6.35]
[合計: 12.7]

Fighting Style により両手持ちの場合はダメージの出目 1、2 は 1 回再ロール可能、二刀流は Off-hand にも能力値が加算可能になりました。この時点で二刀流は両手持ちに対して 1.0 点以上高くなりました。

● Str16、Fighting Style 取得無し、Feat 取得

両手持ち
Greatsword: 2d6+3 [平均値: 10.4]
Greataxe: 1d12+3 [平均値: 9.83]
二刀流
Main-hand: Longsword 1d8+3 [平均値: 7.35]
Off-hand: Longsword 1d8 [平均値: 4.5]
[合計: 11.85]

両手持ちは Great Weapon Master の Feat により出目 20 の時は bonus action で追加攻撃が可能になっています。二刀流は Dual Wielder により武器が両手共に Longsword にありました。どちらも Fighting Style の取得に比べるとダメージの上昇は緩やかですが、やはりこの時も二刀流が両手持ちに対して 1.5 点ほど高くなりました。

● Str16、Fighting Style 取得、Feat 取得

両手持ち
Greatsword: 2d6+3 [平均値: 11.6]
Greataxe: 1d12+3 [平均値: 10.7]
二刀流
Main-hand: Longsword 1d8+3 [平均値: 7.35]
Off-hand: Longsword 1d8+3 [平均値: 7.35]
[合計: 14.7]

Fighting Style も Feat も取得した状態です。Human Variant のルールを使えば 1 レベルでもこれが実現可能です。ここまで来ると二刀流が圧倒的です。両手持ちに対して 3.0 点以上も高くなっています。また Dual Wielder の特技は両手に武器を持っている状態ならば AC+1 ですので、両手持ちに比べて AC も高いのです。

この様にダメージに関して言えば両手持ちは二刀流に比べて単純に不利な事が分かりました。また同じ両手持ちでも 2d6 と 1d12 の武器では後者が常に劣勢です。これは Half-orc の種族特徴であるクリティカルヒットした時にダイス 1 つ分ダメージ追加を考慮しても覆りません (クリティカルヒット時のダメージ増加というのは、平均値に対して 5%しか寄与しないので当然ですが)。

これだけ両手持ちと二刀流に差があるのは不思議です。3 版の時に両手持ちが強烈だった反動で 4 版では両手持ちが弱体化しましたが、その流れでしょうか。現時点では両手持ちの良さというのは殆どありません。ダメージのみならず AC でも負けています。3 版と違い二刀流を十全に活かす為に沢山の Feat が必要という訳でもありません。強いて言うならば両手持ちは魔法の武器が 1 つあれば良いという点と多くの Reach 属性武器が両手持ちであるという事くらいでしょうか。

この状況を覆す方法の 1 つとしては Great Weapon Master Feat で得られる命中を-5 してダメージを +10 する能力を活用する方法です。これを用いた場合のダメージ比較をするには命中率を考慮する必要があるので、また気力のある時にでも……。