バクスターの宇宙史ジーリーシリーズの枝編となる長編です。『虚空のリング』に少しだけ出てくる中性子星内での物語になります。
この作品を読んで何より思うのは、バクスターというのは壮大なネタを使って地味な小説を書く人だな、という事。物語が長くても『虚空のリング』のように、場面が頻繁に変化し、どんどん状況が転じていくならば退屈はしません。しかしこの作品は、冗長な所が多く、いささか間延びした感じを受けてしまいます。もうちょっとシェイプアップすれば、ネタ自体は面白いので良い作品になったのではないでしょうか。
こういう作品を見ると、いよいよバクスターというのは短編向きの作家なんだな、と感じてしまいます。この作品のリズムの悪さと比べて、ジーリーシリーズの集大成であるジーリークロニクルの2短編集は非常に良い出来なのですから。
bk1(絶版)
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