2006年2月17日金曜日

【今日の読書】CPUの創りかた

書名
CPUの創りかた
著者
渡波 郁
出版
毎日コミュニケーションズ
価格
2,800円
ISBN
4-8399-0986-5
bk1
http://www.bk1.co.jp/product/2360557

 この本は、おおむね「内容は良いのだけれど、イラストが気になる」という評価をされているようです。僕も最初はそう感じたのですが読み進むにつれ、その感想は変化していきました。

 僕は現在、どちらかと言えばソフトウェア側のエンジニアですが、学生時代に電子工学(ハードウェア)を勉強した経験があります。その時の感覚からすると、ハードウェアの世界というのはソフトウェアの世界よりも極度に硬派です(名前通りですね)。

 その所為か、電子工学に関する技術書も多くは硬派・高尚・難解を絵に描いたようなものばかりです。例え内容は簡単でも、文体や大上段に構えた「まえがき」等で多くの人が尻込みしてしまうでしょう。

 そこへきて、本書は平易どころかくだけが口語体で話が進められていきます。これにより書籍を読もうとする際の閾値が低くなっています。あのイラストも、閾値を下げるのに一役買っているのではないかと僕は思うのです。枝葉末節にこだわらず、目的達成に向けてズバリ必要な事柄だけを説明していく構成も好感が持てます。

 コンピュータ(ハード・ソフト含め)を仕事にしている人には勿論ですが、それよりもコンピュータ・サイエンスを学ぼうとしている学生に読んでほしい一冊です。



0 件のコメント:

コメントを投稿