英国推理小説の大家チェスタトンが、ブラウン神父シリーズの先駆けて発表した短篇集です。推理小説好きには余りにも有名なブラウン神父ですが、本書に収められた幾つかの中短編にも既にその萌芽が見られます。
『会員は既存のいかなる商売の応用、変形ではない完全に新しい商売を発明し、生活を支えなければならない』
これは書名にもなっている「奇商クラブ」の設定ですが、これ自体がすでに諧謔に満ちているます。更に探偵役といえば「狂った、元優良裁判官」なのです。ブラウン神父譚に目を奪われがちなチェスタトンですが、シリーズ外作品もあなどれません。
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