チェスタトンによるブラウン神父譚の5冊目最後の巻になります。収録作品の多くはチェスタトン晩年の筆によるものです。そのせいか、トリックよりも小説としての重みを持たせる事に腐心して書かれているような作品が目立ちます。また、ブラウン神父譚もここへ至ってある種のパターンができてきたのか、読んでいて先が読めるようなトリックもありました。
とは言え、幾つかの作品では相変わらずチェスタトン流のレトリックが縦横無尽に飛びかい、読者を幻惑してくれるのは流石でしょう。久しぶりにフランボウが登場する点も見逃せない所です。
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