チェスタトンの非ブラウン神父モノ。著者自ら「THE PARADOXES(逆説集)」を名乗るだけあって、ポンド氏の逆説にはニヤリとせずにはいられません。
事件が発生すると、韜晦するかのようにボソリと逆説を吐くポンド氏。当然周囲の人物は彼の発言に不可解な思いをし『何を言っているんだこの人は』とばかりに、ポンド氏の発言を聞き流してしまいます。今度は終幕で逆説の大家が説明を始めると、あれよあれよと言う間に主観的な状況が反転し、彼の逆説は正論そのものに聞こえてくるから不思議です。
チェスタトンの持つ、鋭い洞察力が成し得た諧謔まみれの逆説集。クックックと忍び笑いをせずには読めません。
0 件のコメント:
コメントを投稿