- 書名
- 天と地の戦い
- 著者
- デイヴィッド・エディングス
- 訳者
- 宇佐川 晶子
- 出版
- ハヤカワ文庫FT
- 価格
- 840円
- ISBN
- 4-15-020444-6
- bk1
- http://www.bk1.co.jp/product/2788558
本日読了。《タムール記》の最終巻となる6巻です。
《タムール記》は《エレニア記》の続きに当たります。エディングスの他のシリーズとしてベルガリアード物語から始まる一連の作品がありますが、そのシリーズとエレニア・タムール記を比べると、前者の方が古代後期から中世前期ヨーロッパ風であるのに対し、後者は中世後期から近世に入るくらいのヨーロッパ風ですね。こういった意味で近代的なファンタジィ小説だと思います。
さて《タムール記》。面白いには面白いのですが、ちょっと御都合主義が鼻につきますね。《エレニア記》と比べると神の介入が多すぎて萎えます。なんかエディングスにとって描くのが面倒だったり嫌だったりするシーンは神の力でスキップ、みたいな。あんまり人間(モータル)が努力して問題を解決している感じがない。面白いのはキャラクタであって物語ではないかな、と思いました。ベルガリアード物語に比べると魔法も便利すぎますしね。あと後半は、視点が移動しすぎで個々のシチュエーションが描きたりないですね。キャラクタ増やし過ぎでしょう。まあ、あれだけのキャラクタを書き分けられるのも凄いわけですけれど。