5版にも4版と同じ様なShort Rest [小休憩] とExtend Rest [大休憩] のルールがあります。5版ではShort RestとLong Restという用語になっています。両方を合わせて単にRestと呼びます。
4版と5版のShort Restは似ていますが大きな差があります。明確な差はShort Restの時間です。4版は10分の休憩でしたが、5版ではShort Restでも1時間の休憩になっています。この時間の差と、4版と5版のゲームシステムの理念の違いが次の運用上の違いを発生させます。
4版では複数遭遇に跨って持続するPC強化効果というのは、そもそも永続的な物を除けば殆どありませんでした。しかし5版では効果時間が1時間という呪文やマジックアイテムが多々あります。これらの1時間の強化効果はダンジョン内であればShort Restさえ取らなければ、複数遭遇に跨って持続するわけです。従ってこういった呪文の効果を受けている間はShort Restを取る時に、呪文の利益を受け続けるか、Short Restの恩恵に与るかの選択が必要になります。
また各クラスによってもShort Restの価値は異なります。ざっとですが各クラス以下の様な能力がShort Restで回復します。
- 全クラス共通
- HDを使ってHP回復可能
- バーバリアン
- なし
- バード
- Bardic Inspiration (5レベル以降)
- クレリック
- Channel Divinity
- ドルイド
- Short Restで回復する能力は無い。但しNatural Recovery (1/day, Circle of the Landのみ) はShort Rest中で無いと使えない。
- ファイター
- Second Wind, Action Surge, Superiority Dice (Battle Masterのみ)
- モンク
- Ki
- パラディン
- Channel Divinity, Cleansing Touch (14レベル以降)
- レンジャー
- 無し
- ローグ
- 無し
- ソーサラー
- 無し
- ウォーロック
- 共通: Spell slot
- The Archefey: Fey Presence, Misty Escape (6レベル以降), Dark Delirium (14レベル以降)
- The Fiend: Dark One's Own Luck (6レベル以降)
- The Great Old One: Entropic Ward (6レベル以降)
- ウィザード
- Arcane Recovery (1/day) はShort Rest中で無いと使えない。Signature Spells (20レベル), The Third Eye (Divinar), Illusory Self (Illusionist)
この様に単純にクラス能力だけを比較してもそれぞれのキャラクタにとってShort Restの必要性に違いが出てきます。ですからセッションの最初の段階でパーティのShort Restの取得方針についてある程度の合意を形成しておいた方がセッションが円滑に進むでしょう。その時は時間単位の強化効果についても考慮しておく必要があります。
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