2014年8月28日木曜日

D&D5版は極端な一般化を避けている?

2000年に発売した(A)D&Dの3版や、先の4版はルールの節々でルール・判定の「一般化」をしていたと言えるでしょう。

例えば2版までは命中判定のd20は上方ロール、セービングスローや能力値、技能判定は下方ロールでした。しかし3版は命中判定、セービングスロー、能力値、技能判定は全てd20の上方ロールにしました。またセービングスローについても統廃合しました。4版は更にそれを押し進めてACと旧来のセービングスローを統廃合し、更に命中判定、防御値、技能修正値等が全てレベルに正比例して伸びる様になりました。この2つの版はその他の判定についても原則1d20の上方ロールを利用する様に設計されています。また概ね判定に利用する値は数値が大きい方が良好というの一貫しています。3版に関していてば呪文の書式もかなり厳密になりました。

僕はAD&D1版は1度も遊んだ事は無くコアルールを読んだだけですし、2版も精々3年間で7、80セッション程度遊んだだけですが、1、2版について言えば諸々のルールは「一般化」されていないという見方が出来ます。上方ロールと下方ロールが統一感無く存在しますし、数値も大きい方が良いものと小さい方が良いものがバラバラです。一見これは悪い事だらけの様に見えますが、一般化していないが故に多様な判定に対して細やかなルールを提供出来たという面もあります。

さて5版はどうでしょう。判定は上方ロールに統一されていますし、Proficient Bonusを各種判定に対する修正として使う事で命中判定や技能の上昇を統合しています。そしてProficient Bonus自体はレベルに応じて上がっていきます。一方でクラスの能力や、呪文の内容は3、4版ほどは形式化されていません。特に呪文は形式に囚われて自由度を失うのを避けている様にすら見える記述の仕方になっています。

3、4版は一般化・形式化を企図して成功した部分も多いルールですが、それが故にバランス等の面で抱えた問題点もあります。5版は同じ轍を踏まない様にしているのでしょう。

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