多段ギアの効能を理解した所で、ギア比について考えてみます。その前に、今後の議論を簡単にする為に用語を予習しておきます。
- クランク
- ペダルとフレームを繋ぐ170mm程度の長さの金属棒。
- チェーンリング
- フロントギアのこと。
- スプロケット
- リアギアのこと。フリーともいう。8sと書けば8枚ギアを意味する。同じように9sなら9枚、10sなら10枚。
- アウタ
- チェーンリングのうち、最も外側にある一番大きなギア。
- インナ
- チェーンリングのうち、最も内側にある一番小さなギア。
- ミドル
- チェーンリングがトリプル(3枚構成)のとき、アウタとインナの間にあるギア。
- トップ
- スプロケットのうち、最も外側にある一番小さなギア。
- ロウ
- スプロケットのうち、最も内側にある一番大きなギア。
- ケイデンス
- 1分間当たりのクランク回転数。単位はrpm(round per minutes)。
ではギア比の話に戻ります。
ギア比というのは要するに「クランクを1回転させた時にホイールが何回転するか」の数値です。ギア比が1ならば、クランク1回転でホイール1回転、ギア比3.5ならばクランク1回転でホイール3回転半です。ギア比というのは基本的には以下の計算で求められます。
ギア比 = フロントギアの歯数 ÷ リアギアの歯数
僕が乗っているRF-Sならば、チェーンリングは48-38-28Tで、スプロケットが12-25(12,13,15,17,19,21,25)の8sです。最も重いアウタ=トップだとギア比は
48 ÷ 12 = 4
という事になります。逆に最も軽いインナ=ロウだと1.12です。ギア比4ということはクランク1回転につきホイールは丁度4回転するわけです。700C規格のタイヤだと円周長は2096mm前後ですから、2096×4=8384mmとなります。クランク1回転で8メートルちょっと進むことが分かります。
自分に最適なギア比を生み出すチェーンリング、スプロケットの組み合わせを検討する時、大切なのは普段自分がどれくらいの速度とケイデンスで走っているのかです。僕の場合、ケイデンスは70程度で、速度は15、20、25、30、35km/hの速度帯を状況によって使い分けています(商店街を通るときは15km/hで、車道を快走するなら30km/hとか)。
円周長を2096mm=2.096m、ケイデンス70rpmとすると、それぞれの速度を生み出すためには以下のギア比が必要になります。
- 15km/h=1.70
- 20km/h=2.27
- 25km/h=2.84
- 30km/h=3.41
- 35km/h=3.98
(このギア比は【(速度[km/h]×10000)÷(60×ケイデンス[rpm]×タイヤ円周長[m])】で求められる)
つまり、この条件で巡行することが多い人は、上記のギア比とその周辺のギア比がたくさん作れるチェーンリングとスプロケットの組み合わせを探せばよいわけです(実際には70rpm以外のケイデンスでも巡行すると思うので、もっと色々なギア比を検討する必要があります)。
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