2014年9月28日日曜日

D&D5版 DMは計算が不要!?

Battle of Emridy Meadowsの1回目2回目で6レベル、7レベルシナリオのDMをしました。その2回を通じて実感した事ですが、5版のDMはこれまでの3版、4版と比べて圧倒的にセッション中に計算が必要になる場面が減りました。3つの理由がありそうです。

1つはAdvantage/Disadvantageのルールのお陰です。例えば伏せ状態や不可視状態のボーナス、ペナルティが加算減算ではなくなったので計算が減っています。

2つ目はPCからモンスタに対するデバフが極めて少ない事です。あってもそのペナルティは減算ではなくてDisadvantageである事が殆どです。

3つ目はDM・シナリオ次第ですがモンスタ側にバフが無い事です。PCと同じルールでNPCを作成してキャスタを用意すれば理屈の上ではバフは存在するのですが、バフ呪文はConcentrationである事が殆どです。PCがキャスタを集中攻撃すると簡単にConcentrationが止まってしまう事を考えると、あまりそういう呪文は役に立ちません。

2014年9月26日金曜日

hikidocs.rb 0.1.0にしたら

Debianでaptitude upgradeしてhikidocs.rbが0.0.6から0.1.0に上がったら自宅サーバで動かしているHikiがOdd number list for hashというエラーを吐いて動かなくなったので調査。

エラーの内容を見ると/usr/lib/ruby/vendor_rubyのhikidoc.rbの83行目で上記のエラーが出ている。0.0.6と0.1.0を比べてみると記法に差があったので0.0.6の記法に戻したら動いた。以下修正前後のdiffの結果。

--- hikidoc.rb.20140926 2014-08-29 04:10:41.000000000 +0900
+++ hikidoc.rb 2014-09-26 22:26:22.336724680 +0900
@@ -80,9 +80,9 @@
 
   def default_options
     {
-      allow_bracket_inline_image: true,
-      use_wiki_name: true,
-      use_not_wiki_name: true,
+      :allow_bracket_inline_image => true,
+      :use_wiki_name => true,
+      :use_not_wiki_name => true,
     }
   end

2014年9月23日火曜日

D&D5版 Battle of Emridy Meadows 2

前回の続きです。

DMは僕。参加者は以下の通りです。全員7レベルです。

参加キャラクタ一覧
PC名ClassRaceAlignmentPL名
ノラックFighter (Battle Master)Mountain DwarfLG六平文吾さん
ジョガンMonk (Way of the Four Elements)HumanLN画伯
テディBarbarian (Bear Totem)Mountain DwarfNGLISTさん
ランダルDruid (Circle of the Land)HumanTNつかださん
アイザックCleric (Knowledge Domain)HumanLNからくりさん

導入はこんな感じ。

The Elemental Evil軍勢の強力な魔術将軍のKell the Eldestを一時的に撃退した君達が司令所へ戻ると、そこには焼け焦げた天幕や破壊された荷車があった。Thrommel王子らの天幕も例外ではない。周囲には沢山の人間やドワーフの兵士或いはオークやオーガの死体、馬匹の死骸が弔う者も無く転がっている。以前間者のDennakが囚われていた護送車は打ち破られ中は空になっている。

君達が周囲を捜索していると、一匹の鴉が飛んでいる事に気付く。ノームの代表ジェート・ジンブルクラップの使い魔だ。その鴉はカーカーと哭きながら、洞のある切り株へ降り立ち、それを嘴で突いた。

君達がその洞を調べてみると、1つの巻物が見付かる。

我が友よ、どうやら悲劇は私達に付き纏っているようだ。閲兵を兼て周囲の友軍を回っていたThrommel王子の戻る機会を敵が待ち伏せしていたのだ。王子は辛くも逃れる事が出来たが彼を追ってきた軍勢との戦闘になった。我らが高祭のサーテンはその激しい戦いの最中、忌しきデーモンに討ち倒されてしまった。彼は勇敢に戦った真の英雄である。それが故に彼の死は私達の鋭い痛みを感じさせる。私達の残りは皆無事である。そしてThrommelは他の地へと幕営を移した。

間者のDennakは逃げる際に我々から一冊の魔術書を盗んでいった。紅い革で装丁された「Spiral of Darkness」という奈落のDemon Bindersによる書物だ。私達はDemonのZuggtmoyを罠にかける為にこの本を必要としている。彼奴めは邪悪な寺院に隠された汚れた力を呼び起す術を知っているのだ。我が使い魔のスモークの先導でDennakを追ってくれ。その鴉が君達がどこへ行くべきかを知っている。君達が魔術書を奪還してくれた時スモークがそれを私に知らせてくれるだろう。もしその時に私が死んでいなければ。まあその時は少し不運だったという事だろう。そうじゃないか?

The Temple of Elemental Evilの舞台にもなるNulbへと行く事になります。結局7戦闘でした。一部シナリオに記載されているモンスタを先行公開されたMMのモンスタに入れ換えたり追加の遭遇を作成したりしました。

D&D5版 MM内覧 Thri-Kreen

MMの一部が公開されています。Thri-Kreenです。Intellect Devourerに続きPsionic Creatureです。

Thri-Kreen Preview

CRは1です。Bugbearと同じですが、命中が低い替わりにBiteの毒が強烈ですね。通常失敗でもPoisoned、5差失敗だとParalyzedです。跳躍に対するボーナス、隠れ身に対するボーナスは旧来通りですね。またVariantとしてPsionic能力を持つ固体の場合Innate SpellとしてMage Hand、Blur、Magic Weapon、Invisibilityが使えるとあります。Thri-Kreen特有の武器GythkaとChatkchaも紹介されています。

モンスタデータがどのようになっているか気になりましたか? それならば以下から買いましょうw

2014年9月22日月曜日

D&D5版 MM内覧 Manticore

MMの一部が公開されています。Manticoreです。

Manticore Preview

CRは3。Owlbearと同じです。Claw*2, Biteなので攻撃力はCR並でしょうか。RangedもSpikeが3本飛ばせます。Spikeは12本あってLong Restで回復します。相変わらず野外で出会うと一方的に撃たれて大変そうですね。

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D&D5版 MM内覧 Intellect Devourer

MMの一部が公開されています。Pisonic Creatureの登場、動く脳味噌Intelect Devourerです。PDFファイルになっています。

Intellect Devourer

CR2なのでOgreと同じです。HPもACも低いのですが脳味噌攻撃能力が強烈です。STに失敗するとIntが3d6だけ減り0になるとStunnedになります。そしてStunnedのCreatureを対象に肉体の乗っ取りを試みてきます。今の所Ability現象を回復する方法が5レベル呪文のGreater Restorationしかないのですが………。

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2014年9月21日日曜日

D&D5版 Battle of Emridy Meadows 1

2013年12月のDungeon Magazine #423に掲載されたBattle of Emridy Meadowsというシナリオを遊びました。このシナリオは元々D&D Nextの最終プレイテストルール向けとして公開されたものです。5版で遊ぶには少し工夫が必要です。また分量的には1日のセッションで終わる量ではありません、最低でも2回のセッションが必要になるでしょう。

DMは僕。参加者は以下の通りです。全員6レベルです。

参加キャラクタ一覧
PC名ClassRaceAlignmentPL名
ノラックFighter (Battle Master)Mountain DwarfLG六平文吾さん
ジョガンMonk (Way of the Four Elements)HumanLN画伯
テディBarbarian (Bear Totem)Mountain DwarfNGLISTさん
ランダルDruid (Circle of the Land)HumanTNつかださん
アイザックCleric (Knowledge Domain)HumanLNからくりさん
ダルヴァーBard (College of Valor)Half-ElfNG羽生響さん

シナリオの題名にもなっているBattle of Emridy MeadowsというのはGreyhawk世界で発生した戦さの事です。AD&D1版の有名なシナリオであるThe Temple of Elemental Evil (T1-4) の前日譚でもあります。Verbobonc内で勢力を強めていたElemental Evilの軍勢に対してFuryondy、Veluna、Verbobonc及びLortmil Mountainのドワーフ、Kron Hillsのノームの連合軍「The Righteous Host」が結成されました。

このシナリオでは、プレイヤキャラクタは彼我の戦力差およそ3対1という絶望的な状況を覆す為、連合軍の盟主であるFuryondyの王子Thrommel IVの招集を受け特殊部隊として様々な作戦を遂行していきます。この戦乱の行く末は単にキャラクタ達の手にかかっているという状況からシナリオは開始です。連合軍司令部に集合したキャラクタ達の前には将軍たるThrommelの他以下の幕僚が控えています。

  • Verboboncの領主 Wilfrick子爵
  • Lortmil Mountainのドワーフ戦士団長 Girt Stonebones
  • Kron Hillのノームの代表 Jeet Jimbleclap
  • Citadel of the Eightの一人 Serten司祭

そこで王子は単刀直入に頼みます。

昨晩我々は敵方の間者を捕縛した。Dennekという男だ。今この近くにある護送車に厳重な警備の下監禁している。その男は自分の命と引き換えに敵方の作戦に関する情報を提供すると申し出た。彼奴めの話によると彼の軍勢は我々に三倍する。しかし私はまだ勝機があると考えている。何故ならば私の下に集まるあらゆる報告が、敵の軍勢は組織立っておらず、また訓練を受けた形跡もない上厭戦感すら漂わせているとあるからだ。そこで我々は相手の脆弱な点であるGnollの指導者Gnaragg the Dog Kingを殺害する作戦を立てた。この忌しき者とその配下を掴まえるか壊滅せしめるのだ。それも数日以内に。「どうだ、やってくれるか」

この日は2つの作戦を完遂しました。戦闘遭遇は8回くらいかな? 最後の1つがやはり強烈でしたね。高レベルウィザードはやはり厳しい相手です。

2014年9月18日木曜日

D&D5版 MM内覧 Rust Monster

MMの一部が公開されています。Rust Monsterです。

Rust Monster Preview

CRは1/2ですがHPが27もあり、このCRとしてはかなり多い方でしょう。ACも極端に低いわけではないのでCRの割に頑丈なモンスタです。が一方で通常の意味での攻撃力はGoblin程度しかありません。やはり5版に於けるCRというのは攻撃力に重きを置いたの指標なのでしょう。伝統的な錆の能力は攻守両方にあります。本人のアンテナ攻撃は鎧や盾を錆びさせます。一方でRust Monsterを攻撃するとその武器が錆びていきます。低レベルで街に戻れない状況で出会うとかなり嫌な相手ですね。

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2014年9月17日水曜日

D&D5版 MM内覧 Cambion

MMの一部が公開されています。Cambion (Half-Fiend) です。

Cambion Preview

CRは5、11HDでAC19です。Innate Spellcasting (3版で言うSpell-like ability) としてAlter Self、Command、Detect Magic、Plane Shiftが使えます。このCRで3d6 fireのRayがAction毎に2発打てるのは強力ですね。それとCharmの能力を持っているのも、3版とは違います。3レベルくらいのPCにとってはかなり強敵ですし、PCが10レベル程度になっても充分戦える能力になっていますね。

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2014年9月16日火曜日

Greyhawk Walker's Guide 09

網羅的に紹介する事は分量的に難しいので、幾つかの主だった地域を簡単に紹介していきます。

Map of Flanaess, pre Greyhawk Wars

●Viscounty and Town of Verbobonc

首長
His Lordship, the Viscount Wilfrick of Verbobonc
首都
Verbobonc (人口11,600)
人口
35,000
Demi-human
Gnomes (4,000), Sylvan Elves (2,500)
Humanoid
Few[*1]
資源
copper, gems (I-IV)

[*1] "many"は最大20%、"some"は最大10%、"few"は5%以下、"doutful"は殆ど0%。

Verboboncは現在ではほぼ独立した領地になっていますが、元々は隣国Velunaの一子爵領でした。現在でもVerboboncはVelunaの教皇の諮問機関であるCelestial Order of the Moonsに儀礼的なものではありますが席を持っています。

Gnary Forestが近いこの地は、遥か昔はエルフの住む場所でした。エルフ達はすぐにKron Hillのノームと生活を共にするようになりました。Great Migrationを経てVerboboncにも人間が入植してきて、それを機にエルフはこの地を離れて森へと帰ってしまいましたが、ノームは残り人間との共同生活を始めました。その為Verboboncは現在でも多数のノームが住んでいます。また古代のエルフの建築物なども残っており、それらの跡に人間とノームが改造を施して現在の街の姿を形作っています。

政治的にも近しい関係にある事からVelunaとは友好関係にあります。しかしVerboboncはKnights of the Hartには所属していません。またVelunaの一地域ではあったのですがRaoの勢力は強くなく、この子爵領でSt.Cuthbertが宗教的な権勢を握っています。

Verboboncの歴史について語る上で欠かせないのは近年出現したThe Temple of Elemental Evilとの戦いです。CY550年前後に出現したこの邪悪なカルトはVerbobonc南部で勢力を増大させていきました。カルトの勢力は大軍勢となり、これに対抗する為にFuryondyの王子を将軍として、Veluna、Verbobonc、Lortmil Mountainのドワーフ、Kron Hillのノームが連合軍The Righteous Hostを結成。2つの軍はEmridy Meadowsで相見えて、後代の歴史家にThe Battle of Emridy Meadowsと呼ばれる事になる合戦に於いてThe Righteous Hostの勝利という形で決着しました。

2014年9月13日土曜日

Greyhawk Walker's Guide 08

網羅的に紹介する事は分量的に難しいので、幾つかの主だった地域を簡単に紹介していきます。

Map of Flanaess, pre Greyhawk Wars

Crest of Veluna

●Archclericy of Veluna

首長
His Venerable Reverence, the Canon of Veluna - Hazen, Shepherd of the Faithful
首都
Mitrick (人口12,600)
人口
250,000+ (Viscounty of Verboboncを除く)
Demi-human
High Elves (10,000), Gnomes (7,000), others
Humanoid
Few[*1]
資源
foodstuffs, copper, slver, gold

[*1] "many"は最大20%、"some"は最大10%、"few"は5%以下、"doutful"は殆ど0%。

Velunaは元々Archclericy of Vollという名前のFerrond (Furyondyの前身たるGreat Kingdomの総督府) の一部でしたがFerrondがGreat Kingdomから独立すると共に別の国家として独立しました。その起源は古くTwin Cataclysms以前に遡ります。その災厄よりも前にFlanに移住してきたOerid人と、この谷間に住んでおり既にRaoを信仰していたFlan人が平和的に接触しました。移住してきたOerid人に安全な住処を提供した結果、この地ではFlan人とOerid人の混血が進んでいきます。そしてCY9年、Raoのクレリックの占星術により伝説的なCrook of Raoが発見されます。Crook of Raoが発見された地は現在ではMitrikと呼ばれ、これを機にRaoを主祭神とした国家が形成されました。

現在のVelunaはCanon of Velunaという称号を持つRaoの最高位司祭によって統治されています。諮問機関として7つの司教管区を治めるそれぞれのRao司教、City of Velunaの大司教、St.Cuthbert及びHeironeous教会の代表、そしてVeluna騎士団の高司祭からなるCollege of Bishopsと、Veluna各地域の貴族を代表した15人のCelestial Order of the Moonsが存在します。

国土は7つの司教管区とCanon自身が直接統治するCity of Velunaに分かれます。それぞれの司教管区ではRaoの司教と、その管区最大の貴族家が権力を二分して統治に当っています。

Veluna騎士団は超国家騎士団the Knights of the Hartの一員でもあります。100を越える騎士から成り、ファイターだけでなく戦いを得意とするクレリックも多数所属しています。騎士団員の殆どはRaoを信仰していますが、一部Mayaheine、St.Cuthbert、Heironeousを信仰する騎士もいます。彼らの主神であるRaoが平和や理性を尊ぶ神である事からVeluna騎士団は戦闘だけではなく交渉、調停の場などでも活躍しています。

2014年9月12日金曜日

Greyhawk Walker's Guide 07

網羅的に紹介する事は分量的に難しいので、幾つかの主だった地域を簡単に紹介していきます。

Map of Flanaess, pre Greyhawk Wars

Crest of Furyondy

●Kingdom of Furyondy

首長
His Pious Majesty, The King of Furyondy - Belvor IV
首都
Chendl (人口15,600)
人口
350,000+
Demi-human
Some[*1]
Humanoid
Doubtful
資源
foodstuffs, cloth, gold

[*1] "many"は最大20%、"some"は最大10%、"few"は5%以下、"doutful"は殆ど0%。

Furyondyは元々Viceloyalty of Ferrondと言うGreat Kingdomの総督府でした。CY254年に独立してからKingdomを名乗っています。初代の王はThrommel Iです。元々首都は現在は自由都市になっているDyversでしたが、CY288に現在の王都Chendlに遷都しています。DyversはCY526年に独立した都市国家となりました。また現在も友好国である隣国Velunaは総督府時代のFerrondの領地でしたが、独立の際に別の国家になっています (従って近年Velunaから独立したVerboboncも元々はFerrondのいち地域でした)。

現在のFuryondyはFlanaessに於ける大国の一つです。その広い領地は現王家を含む8つの大貴族によって直轄統治されています。それぞれ王家以外の大貴族は"Seven Families"と呼ばれ、Reach公爵家、Crystalreach伯爵家、Gold伯爵家、March子爵家、Kalinstren男爵家、Littleberg男爵家、Willip男爵家となっています。

現在の王Belvor IVは賢君として名高く、その治世はCY537年から40年の長きに渡って続いています。Belvor IVにはThrommel IVという一粒種がいます。王子も平和と理性の神RaoのPaladinとして高名な人物です。

東南部の隣国Veluna、Verbobonc、Dyvers及びHighfolkとは友好的な関係にあります。一方で、北東に邪悪なHierarchに支配されたHored Society、Whyestil Lakeを挟んで北側には、Demon Prince Graz'ztとMother of Witchesと呼ばれる強力なNecromancerのIggwilvの息子であり邪悪なDemigod Iuzが治めるLand of Iuzという2つの脅威があります。

その為Furyondy北部の貴族は比較的国防に熱心ですが、南部の平和な地域の貴族達は軍事支出に対する税に難色を示している者も多く、常に国内では政争の焦点になっています。

Furyondyの騎士団は、Furyondy、Veluna、Highfolkの3国の騎士団で構成される超国家騎士団であるthe Knights of the Hartの一角を担う最大勢力です。150人以上の騎士が所属しています。the Knights of the Hartは有事の際は一丸となって事に対処します。この超国家騎士団は原則として専守防衛を旨としており、積極的に対外戦争に出張る事は稀です。

この国では騎士の神Heironeous、理性と平和の神Rao、知恵と応報の神St.Cuthbert、盾の女神Mayaheine、商売の神Zilchus、自由と独立の神Thithereon、旅の神Fharlanghn、大地の女神Beoryなどが主に信仰されています。

2014年9月11日木曜日

Greyhawk Walker's Guide 06

網羅的に紹介する事は分量的に難しいので、幾つかの主だった地域を簡単に紹介していきます。

Map of Flanaess, pre Greyhawk Wars

最初は世界の名前にもなっているGreyhawkです。

Crest of the Greyhawk

●Free City of Greyhawk

首長
His Solemn Authority, the Lord Mayor of Greyhawk - Nerof Gasgol
人口
58,000(city); 75,000+ (周辺地域含む)
Demi-human
Some[*1]
Humanoid
Some
資源
silver, electrum, gold, platinum, gems (I-IV)

[*1] "many"は最大20%、"some"は最大10%、"few"は5%以下。

先に掲載した地図のほぼ中心、Nyr Dyvの南にあるのが自由都市Greyhawkです。Free City of Greyhawkという名称ですが支配地域はその市だけではなく、周辺の地域に及んでいます。地域まで含めて改めて呼ぶ場合Domain of Greyhawkと言われます。その領域内にはHardbyやElmshireといった街があります。

Greyhawkのそもそもの起源を辿るとKingdom of Aerdy以前に、地方の豪族が打ち建てた町に至ります。その豪族は交易等で栄えてLandgraf of Selintanと呼称される様になりました。その後Landgraf of SelintanはGreat Kingdomの支配を受けますが、何世紀かの後にGreyhawkは独立し現在の自由都市となります。

この街が大きく栄えたのは前市長Zagig Yragerneが現われてからです。後にポートフォリオを得てdemigodとなるZagig (神としての名の場合綴りがZagygになる) はCY375年に市長となります。Zagigの統治の下で隆盛していったGreyhawkはいつしか、彼自身がGem of Flanaessと渾名する程までに成長しました。Zagigの謎めいた失踪の後、Greyhawkは若干の衰退期に入ります。Cairn HillsやMistmarshの洞窟へお宝を求めて発生したゴールドラッシュならぬダンジョンラッシュとも言うべき大量の冒険者の流入によりGreyhawkは再び活性化しました。

余談ですが、GygaxがD&Dの最初のキャンペーンを始めた時には世界設定というものは存在しませんでした。とある都市の地下に広がる13階層の迷宮があっただけです。キャンペーンを進めていく内にGygaxは自分のキャンペーンのキャラクタ達が、迷宮探索で入手した財宝を売却したり或いは休憩を取ったりする場所が必要という事に気付き、その「とある都市」の設定を作りました。それがCity of Greyhawkです。

2014年9月9日火曜日

Greyhawk Walker's Guide 05

Flanaessには幾柱もの神々が存在しますが、それぞれの神は特定の民族が持つ神話の神群を成しています。これまで説明した通りFlanaessには複数の民族が入り混っていて混血も進んでいる事もあり、中には民族を越えて広く信仰されている神もいます。少数ですが出自が不明の神も存在します。

また神にはその権能の強さに差があり、強力な力を持つ神から順にGreater God、Lesser God、Demi Godと言います。後のサプリメントではGreaterとLesserの間にIntermediate Godという階梯が加わります。

ではAD&D1版のWorld of Greyhawk Box Setを元に神群毎にまとめていきます。

表1: Flan Pantheon
NameDomainAlignmentGenderRank
BeoryOerth, Mother, Nature, RainNfG
NerullDeath, Darkness, UnderworldNEmG
PelorSun, Strength, Light, HealingNGmG
RaoPeace, Reason, SerenityLGmG
AlliturEthics, ProprietyLG(N)mL
BereiHome, Family, AgricultureNGfL
Obad-haiNature, Wildlands, Freedom, HuntingNmL
ZodalMercy, HOpe, BenevolenceNGmL
IuzOppression, Deceit, PainCE(N)mD

RaoはAlliturの兄とされています。またZodalはRaoの従者と言われています。IuzはRaoと後述するSt.Cuthbertと敵対しています。

表2: Baklunish Pantheon
NameDomainAlignmentGenderRank
IstusFate, DestinyNfG
GeshtaiLakes, Rivers, WellsNfL
Xan YaeTwilight, Shadows, Stealth, Mind over MatterNfL
ZuokenPhysical and Mental MasteryNmD

ZuokenはXan Yaeの弟子であったとされています。

表3: Suloise Pantheon
NameDomainAlignmentGenderRank
KordAthletics, Sports, BrawlingCGmG
LendorTime, TediumLNmG
Wee JasMagic, DeathLNfG
BeltarMalice, Pits, Deep CavesCE(N)fL
BralmInsect, IndustriousnessN(L)fL
LlergBeast, StrengthCNmL
LydiaMusic, Knowledge, DaylightNGfL
NoreboLuck, Gambling, RiskCNmL
PhaulkonAir, Winds, CloudsCGmL
PhytonBeauty, NatureCGmL
PyremiusFire, Poison, MurderNEmL
SyrulDeceit, False Promises, LiesNEfL
XerboSea, Water Travel, Money, BusinessNmL

PhalkanとSyrullは夫婦でその父がLendor、息子がKordです。Wee JasとNoreboは恋人だと言われています。

表4: Oeridian Pantheon
NameDomainAlignmentGenderRank
ProcanOceans, Seas, SaltNGmG
ZilchusPower, Prestige, Influence, Monery, BusinessLNmG
AtroaSpring, East WindNGfL
CelestianStars, Space, WanderersN(G)mL
DellebREason, IntellectLGmL
ErythnulHate, Envy, Malice, PanicCE(N)mL
FharlanghnHorizons, Distance, TravelN(g)mL
HeironeousChivalry, Honor, Justice, ValorLGmL
HextorWar, Discord, MassacreLEmL
KurellJealousy, Revenge, ThieveryCNmL
PholtusLight, Resolution, LawLG(N)mL
SotillionSummer, South Wind, Ease, ComfortCG(N)fL
TelchurWinter, North Wind, ColdCNmL
VelniusSky, WeatherN(G)mL
WentaAutumn, Weast Wind, HarvestCGfL
RuddChance, Good Luck, SkillCN(G)mL

Velnius(長兄)、Atroa、Sotillion、Telchur、Wenta(末妹)は兄弟でその父がProcanです。またSotilionとZilchasは夫婦で、Atroa、Sotillion、Kurellは三角関係だった事があります。FharlanghnとCelestianは兄弟です。HeironeousとHextorは兄弟でかつ仇敵でもあります。

表5: Other Pantheon
NameDomainAlignmentGenderRank
BoccobMagic, Arcane KnowledgeNmG
IncabulosEvil, Plagues, NightmaresNEmG
TharizdumEternal Darkness, DecayEmG
UlaaHills, Mountains, GemstonesLGfG
CyndorTime, Continuity, InfinityLNmG or L
BlereddMetal, Mines, SmithsNGmL
EhlonnaForests, Flowers, MeadowsNGfL
FortuboStone, Metals, MountainsLG(N)mL
JoramyFire, Volcanoes, Anger, QuarrelsN(G)fL
LirrProse, Poetry, ArtCGfL
MyhrissLove, BeautyNGfL
OlidammaraMusic, Revely, Rougery, WineCN L
RalishazChance, Ill-luck, MisfortuneCN(E)mL
RaxivortXvarts, RatsCEmL
St.CuthbertWisdom, Dedication, ZealLG(N)mL
TrithereonIndividuality, Liberty, RetributionCGmL
WastriBigotry, AmphibiansLN(E)mD
ZagygHumor, Occult Studies, EccentricityCN(G)mD

EhlonnaとObad-haiはライバル関係にあります。ZagygはBoccobの支援を受けて神性を得ました。ZagygとCelestianは同盟関係にあります。

2014年9月8日月曜日

Greyhawk Walker's Guide 04

今後の説明の為に現在のGreyhawkの主要な国家の名前の一覧を掲載しておきます。

  1. Prelacy of Almor
  2. Bandig Kingdoms
  3. March of Bissel
  4. Blackmoor
  5. Bone March
  6. Kingdom of Celene
  7. Free and Independent City of Dyvers
  8. Caliphate of Ekbir
  9. Frost Barbarians
  10. Kingdom of Furyondy
  11. Grand Duchy of Geoff
  12. Gran March
  13. Great kingdom, The Kingdom of Aerdy
  14. Free City of Greyhawk
  15. Highfolk
  16. Horned Society
  17. Ice Barbarians
  18. County of Idee (Member of the Iron League)
  19. Free City of Irongate (Member of the Iron League)
  20. Land of Iuz
  21. Kingdom of Keoland
  22. Ket
  23. Lordship of the Isles (Member of the Iron League)
  24. See of Medegia
  25. North Province
  26. Kingdom of Nyrond
  27. Free State of Onwal (Member of the Iron League)
  28. Theocracy of the Pale
  29. Perrenland
  30. Plains of the Paynims
  31. Pomarj
  32. Archbarony of Ratik
  33. City of Rel Astra
  34. Rovers of the Barrens
  35. Scarlet Brotherhood
  36. Sea Barons
  37. Hold of the Sea Princes
  38. Shield Lands
  39. Snow Barbarians
  40. South Province
  41. Spindrift Isles
  42. Earldom of Sterich
  43. Hold of Stonefist
  44. County of Sunndi (Member of the Iron League)
  45. Duchy of Tenh
  46. Tiger Nomad
  47. Tusmit
  48. County of Ulek
  49. Duchy of Ulek
  50. Principality of Ulek
  51. Ull
  52. County of Urnst
  53. Duchy of Urnst
  54. Valley of the Mage
  55. Archclericy of Veluna
  56. Viscounty and Town of Verbobonc
  57. Wild Coast
  58. Wolf Nomads
  59. The Yeomanry
  60. Sultanate of Zeif

Greyhawkには共通語 (Common) やエルフ語などの種族語の他に幾つかの固有言語があります。

Suloise
Suel帝国で使われていた言葉。現在では学者ぐらいしか使わない。
Flan
Flan人の間で使われていた言葉。Duchy of Tenhではまだ使われている。
Ancient Baklunish
現在のCommonの直接の祖先の1つ。Bakluni帝国で使われていた言葉。今でもPaynimの部族は使っている。
Old Oeridian
比較的新しい言葉。拡散する前のOerid人に使われていた。Commonの直接の祖先の1つ。
Ferral
Iron Leagueに所属するOerid人の間だけで使われている秘密言語。
Nyrondese
主としてNyrondで使われているCommonの方言。
The Cold Tongue
SuloiseとFlanの混った方言。Ice/Snow/Frost Barbarianの間で使われている。Suloiseの話者は多少理解可能。
Velondi
古くからOerid人の間で使われてきた言葉だが、現在ではFuryondyとVelunaの境界地域でのみ使われている。
Keolandish
Old Oeridianの方言。Keoland周辺諸国で使われている。
Lendrian
Spindrift Islesで使われているSuloiseの方言。

2014年9月7日日曜日

Greyhawk Walker's Guide 03

Greyhawkの民族を紹介します。Flanaessには歴史の説明でも触れた4つの主要な民族と、2つの小規模な民族が存在します。

●Flan人

Flanaessに元々住んでいた民族です。知られている限りではこの地に居住していた民族では最も古く、それが故にこの東部Oerik大陸はFlan人の住む土地という意味でFlanaessと呼ばれています。元来Flan人は遊牧民で定めた住居を持たず、大規模な国家も形成しない民族です。Great Migrationと言われるBaklunish-Suloise Warsによる大規模な移住の跡は被征服民族になった為、現在のFlanaessでFlan人が主要な地位を占めてい国家は殆どありませんが、County of UlekやSterich、The BarrenにはFlan人が数多く存在します。

●Suel人

太古から続いた魔法帝国Suelの末裔です。色白で金髪が多くアルビノの発生率も高い種族です。元々Suel帝国があった場所は現在ではSee of Dustという砂漠になっています。Great Migrationによって一度は中央Flanaessに広がりますが、その後のOerid人の侵略により中央を終われ北東部及び南部Flanaessへと移動していきます。Flanaess北東部に一するThilonrian半島のFrost/Snow/Ice Barbarianは現在でもかなり純潔のSuel人が多い地域です。またSuel貴族が建立したKingdom of Keolandでも主要な地位にあります。

●Bakluni人

Suelと同じくらい古くから存在した大帝国の支配的民族です。Great Migrationの時にはFlanaess中央部には移住せず、現在に至るまで北西部に留まっています。Bakluni帝国があった場所は現在ではDry Steppesという広大な不毛の野になっています。北西部諸国のZeif、Ekbir、Ull、Tiger Nomadsなどはほぼ純潔のBakluni人種です。

●Oerid人

元来はSuelとBakluniの間で傭兵の地位に甘んじていた民族ですが、Great Migratiom以後のGreat Kingdomの隆盛を経てFlanaessでは主要民族となりました。Greah Kingdom諸国では現在でも支配的地位にあります。

●Rhenee人

Rhenee人はFlanaessの各地の水上で生活する放浪の民です。この民族の出自には不明点が多く、500年ほど前に他の次元界から迷い込んできたと考えれています。Great Kingdomの国家から追われた結果、水上に逃れたRhenee人は艀の上で生活する様になり、河川を通じてFlanaess中に広がりました。非常に排他的な民族で他の民族との混血は殆どありません。

●Olman人

Olman人はFlanaess最南部のHepmonalandを期限とする茶色の肌を持つ人種です。海を渡りAmedioジャングルにも広がり一時は大きな国家を形成しました。しかし幾たの戦乱を経て現在では文明を失ない殆どが野蛮人と化しています。

2014年9月6日土曜日

Revenge of the Giants 7 [168]

 表題のキャンペーンです。DMは羽生さん。レベルは全員15です。途中で16になりました。参加者は以下の通り。

  • [指揮役], ピナファエラ, Hybrid Warlord/Wizard, Battle Weaver, Tinker Gnome, さるしんごさん
  • [指揮役/防衛役], ミロク, Hybrid Cleric/Cavalier(Multiclass Monk), Paragon of Victory, Human, 画伯
  • [撃破役], グラッジ, Warlock(Multiclass Warlord), Witchmaster, Draconian, つかださん
  • [撃破役/防衛役], ビンテン, Hybrid Figter/Ranger, Soaring Rake, Eladrin, からくりさん
  • [防衛役], ゲッシュ, Hybrid Fighter/Paladin, Hammer of Moradin, Dragonborn, 死せる詩人

 12時開始で19時半終了。5戦闘遭遇でした。アイスアルコンの19レベル兵士役が厳しい相手でしたね。やっぱり4レベルも上の兵士役はACが高過ぎて戦闘が長くなります。それと16レベルに上がる前に出会ったルモハハズ(21レベル精鋭暴れ役)とウインターウルフ(18レベル砲撃役と17レベル遊撃役が合計5体)の集団との戦闘もかなり厳しいものでした。

2014年9月4日木曜日

Greyhawk Walker's Guide 02

Greyhawk世界を紹介していくのですが、誤解が発生しない様にしなければいけません。僕が最初に紹介していくのはAD&D1版時代のGreyhawkです。つまり本文の中で「現在」とか「今」という言葉でGreyhawkの歴史の現在地を示した時は原則としてCommon Year (CY) 576年を指すと考えて下さい。例えば『遡る事7年前』と言ったらばCY569年になります。

●Flanaessのおおまかな歴史の流れ

今から数千年前Oerik大陸にはSuelとBukluniという永きに渡って栄えた二大帝国がありました。その二大帝国の間で約1000年前にBaklunish-Suloise Warsという大戦が発生します。その時にSuelらの魔術師が集ってInvoked Devastationという強力で広大な範囲を持つ10レベル呪文をBakluniに投げかけました。その報復にBakluniに魔法使い達はRain of Colorless Fireという同じ様に強力な呪文をSuelに仕掛けます。Invoked Devastationによって発生した不毛地帯はCrystalmist山脈の西部にあり現在はDry Steppesと呼ばれる荒野になっています。Rain of Colorless Fireの跡はSea of Dustという砂漠です。この強大な魔法の災厄をTwin Cataclysmsと呼びます。

Flanaess地方には元々Flan人が住んでいたのですが、Baklunish-Suloise Warsの結果発生した大量の難民がFlanaessに流れ込みました。Bukluni人はFlanaess北西部に、Suel人は中央部を横断して流入しました。SuelとBakluniの間で両者に傭兵として利用されていたOeridという民族がいます。彼らはTwin Cataclysmsよりも前に現在のUllの当たりに移住を始めていたのですが、SuelとBakluniの移住と共に中央Flanaessへと進出し始めます。

中央FlanaessではSuel人とOerid人の間で度々戦が起き、また両民族間での混血も進みます。そんな中Oerid人の中でも力のあったAerdy族が打ち建てたKingdom of Aerdyは東へと覇権を進めFlanaess中東部を覆う一大帝国を築き上げます。これがGreat Kingdomの始まりです。Pax Aerdyを成したGreat Kingdomの王は自らをOverkingと僭称し始めます。

Kingdom of Aerdyに先立つ事およそ100年、Flanaess西部のSheldomar ValleyにSuelの貴族からなるKingdom of Keolandが建国されます。この国はFlanaessに作られた歴史上最初の王国です。Keolandは一時期Sheldomar Valleyのほぼ全域を版図の治めましたが、Gran March、Bissel、Sterich、Yeomanryなどが独立していきます。

Great KingdomがOverkingを僭称し始めてから200年、Great Kingdomは腐敗を極めその周辺所領が独立していきました。FuryondyやNyrondはその独立した国の最も大きな物です。

この様な移住と征服、独立を経て現在のFlanaessが形作られています。

Map of Flanaess, pre Greyhawk Wars

2014年9月3日水曜日

Greyhawk Walker's Guide 01

D&Dの世界設定であるGreyhawk少しずつ紹介していきます。結局4版の間はGreyhawk世界は全くといって良い程サポートされなかったので、4版からD&Dを初めた人にとってはGreyhawkと言われても何のこっちゃという状況です。更に僕が5版でやろうとしている最初のキャンペーンはAD&D1版の頃の物なので、当然Greyhawkの時代背景的にも1版の設定が必要になります。

主として僕のキャンペーンのプレイヤ向けで、少しだけ4版からD&Dに入った人達向けという方針で書いていきます。

●そもそもGreyhawkとは何であるか

D&DというのはGary GygaxとDavid Arneson作ったゲームです。そしてGreyhawkはGygax自身が最初に作成したD&D用のファンタジー世界設定です。Greyhawkよりも先に作られたD&D用の世界設定はArnesonが作成したBlackmoorしか存在しません。Blackmoorは継続的な製品の投入は殆どされていないので、継続的にサポートされている世界設定ではRPGに於いては最古の世界です。

●3つの時代

概ねGreyhawkの世界設定には、3つの段階があります。GygaxがGreyhawkの世界設定を作っていた1版の時代、Gygax追放後のTSRでCarl Sargentが舵を取っていた2版前中期の時代、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストによって買収された後の2版最後期から3版の時代です。それぞれ1972年から85年、86年から97年、98年から2008年になります。

Greyhawk世界の歴はCommon Year (CY)という名称で数値が設定されています。Gygax時代はCY576年、Carl Sargentに設定されたFrom the Ashesの時代はCY586年、ウィザーズによる展開の時代はCY591年になっています。

CY582年にGreyhawk Warが勃発しこれが2年続くのですが、その大戦の前後でGreyhawk世界の状況は大きく変わります。余談ですが、大戦で世界中が荒廃してその「荒廃から」始まる冒険世界を紹介しているので、SargentがまとめたGreyhawkのサプリメントが「From the Ashes」なのですね。

●天体としてのGreyhawk世界

Greyhawk世界の「Greyhawk」という名称はこの世界にある最大の都市の名前から来ています。City of Greyhawkと言います。Greyhawk市がある欧州程度の大きさの地域はFlanaessと呼ばれています。Flanaessが存在するのはOerik大陸です。Oerik大陸はOerthという天体の上にあります。Oerthは地球とほぼ同じ大きさの天体で、自転周期は24時間、公転周期は364日です。Oerthの太陽は1つですが、月は2つありLunaとCeleneと言います。Lunaの公転周期は28日、Celeneの公転周期は91日です。

●Greyhawkの暦

Greyhawkの世界設定ではOerth上のFlanaess以外の地域については殆ど設定されていません。ちらっと名前が出てきたりする事はありますが、Flanaess以外は設定ゼロと考えて良いでしょう。そのFlanaessで使われている共通歴の1年には1ヶ月28日の12の月と、それぞれ7日間の長さの祭の週間があります。つまり28日x12ヶ月+7日x4で合計364日です。各月と祭の名前は以下の通りです。

  • Needfest (新年の祭)
  • Fireseek (冬)
  • Readying (春)
  • Coldeven (春)
  • Growfest (春の祭)
  • Planting (夏)
  • Flocktime (夏)
  • Wealsun (夏)
  • Richfest (夏の祭)
  • Reaping (夏)
  • Goodmonth (夏)
  • Harvester (夏)
  • Brewfest (秋の祭)
  • Patchwall (秋)
  • Ready'reat (秋)
  • Sunsebb (冬)

1週間は7日ですが七曜の呼び名もあります。

  1. Starday
  2. Sunday
  3. Moonday
  4. Godsday (礼拝日)
  5. Waterday
  6. Earthday
  7. Freeday (休日)

2014年9月2日火曜日

D&D5版 グリッド戦闘について

5版のPHBではスクエアのグリッドを使った戦闘ルールについて殆ど記述がありません。192ページに「Variant Playing on a Grid」という、わずか4分の1ページの簡易的な選択ルールの記載があるのみです。PHBしか存在しない現時点では、グリッドを使った戦闘をすると不明点が多くプレイグループ毎に独自解釈をせざるを得ません。

まず「Variant Playing on a Grid」についてですが、この選択ルールは4版的なグリッド戦闘を示しています。1マス=5ftで、斜めも1マスになっています。従ってキャラクタの移動範囲は通常正方形になります。この選択ルールの記述で分かるのはここまでです。

呪文の効果範囲はPHBのSpellcastingの項目ではcube (立方形)、sphere (球形)、cone (円錐形)、cylinder (円筒形)が説明されていて、それぞれの絵も示されています。しかし「Variant Playing on a Grid」を使うとcubeとsphereは同じになりますし、cylinderも長方形になります。しかしconeが良くわかりません。僕のグループでは4版のblastと同様の処理をしています。15ft-coneならば4版のblast 3と同じです。

みなさんはそもそも5版の戦闘はどの様に処理しているのでしょう。いろんなパターンがあると思います。

  1. グリッドを使わない
  2. PHBの「Variant Playing on a Grid」を使っている
    1. 効果範囲は3版的に処理
    2. 効果範囲は4版的に処理
    3. それ以外
  3. PHBのルールは使わず独自のグリッドルールを利用している
    1. その独自ルールは3版ベース
    2. その独自ルールは4版ベース
    3. それ以外

D&D5版 PHB紹介 Variant一覧

PHBに掲載されているVariantルールを調べてみたら、以下の5つでした。

  • PHB 31ページ: Variant Human Traits
  • PHB 136ページ: Variant Noble: Knight, Variant Feature: Retainers
  • PHB 139ページ: Variant Sailor: Pirate, Variant Feature: Bad Reputation
  • PHB 144ページ: Variant: Equipment Sizes
  • PHB 192ページ: Variant Playing on a Grid