- 書名
- 安全保障とは何か—脱・幻想の危機管理論
- 著者
- 江畑 謙介
- 出版
- 平凡社新書
- 価格
- 660 円
本日読了。絶版か重版未定か知りませんが版元在庫無しの様で古本で購入しました。
1999 年に発売された本です。ですから 911 のテロもイラク戦争もリーマンショックも東日本大震災も ISIL の台頭も起っていません。逆にソビエト連邦は 91 年に崩壊したばかりで、冷戦が終わり超大国がアメリカしか存在せず、中国はまだ経済発展の途上にある世界の話です。
江畑謙介というと湾岸戦争当時に軍事評論家としてテレビに出演していたのを思い出します。髪型が特徴的な人でした。
綿密に論理的に話を進める人なので、読んでいる側としては極めて理解が容易です。しかも筆者自身の思想や考えは陰にも陽にも出さず、淡々と (出版当時の) 日本周辺の地政学的現実を説明していきます。
筆者は日本の安全保障上の脅威を主として以下の二点に絞って説明しています。
- 北朝鮮の軍事力、核武装。
- 中国の拡張政策に伴なう海洋進出、それを可能にする為の軍備拡大。
そしてそういった周辺事態に日本が対応する為の手段が自衛隊と日米同盟だという訳です。これはこの本から 15 年経過した現在でも変っていませんね。寧ろ両方とも脅威は増している様に見えます。
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