2004年7月29日木曜日

【今日の読書】文体練習/レーモン・クノー/朝日出版社

 文字だけで構成された書籍を購入して、よもや絵画を観賞する事になるとは思いませんでした。

 と書くと「何を大袈裟に」と思う人も多いでしょう。実際大袈裟に書いているわけですが、クノーによる99編の文章は単なる文字の集合としての文と言い切る事のできない赴きがあります。中には、その文章単一では読んで意味を理解する事が困難なものすらあります。
 99編全て、表わしている事象は1つです。しかしながら全部が違った文体で表現される事で、読者の頭の中に広がる光景はそれぞれ異なったものになるでしょう。文字という名の絵の具を使って、99のカンバスに描かれた同一の題材を持つ異なった絵、それが本書なのではないでしょうか。

 本書を読んで何よりも驚くのはクノーの筆致ではなく、翻訳者の努力かもしれません。このオリジナリティ溢れる(溢れ過ぎる)99の文章を翻訳する作業は、困難を極めたでしょう。こんな面白い本を日本語で読めるのはラッキィな事です。


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 ……bk1に投稿する事を意識し過ぎだな自分。



【今日の読書】理科系の作文技術/木下是雄/中公新書

 ビジネスに必要な簡にして要を得た文章を書くためのHow to本の走りです。こと理系に属し、論文を書く人にとってはバイブルと言われる有名な本です。
 新書としては異例の改訂も行ないながら、既に20年以上に渡り50万部以上も売れています。

 理系の文書と一口に言ってもいろいろあるわけですが、本書では特に論文に力点を置いています。曰く、美文は不要であり、文からは極力装飾を除け。複文、重文を使わず短かい単文を使え。結論・トピックを先に出すように心掛けよ、等々。読みやすい論文を書くに当って心に留めるべき技術がたくさん紹介されています。

 改訂されたと言っても原著が20年以上も前なので、手書が前提です。従ってパソコンを使ったプレゼンテーション等の技術については触れられていません。それが多少残念に思ったのですが、この本を読んで内容を理解した人ならば、パソコンを使った文書の作成に、紹介されたテクニックを応用するのは簡単でしょう。

 自分も卒論を書く前にこの本を読んでいれば、と思わずにはいられません。


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2004年7月28日水曜日

【今日の読書】聖書のヒロインたち/生田哲/講談社現代新書

 旧約・新訳聖書に登場する女性に焦点を当てて聖書の物語を解説した書籍です。エバ(イブ)やマリヤをはじめとして旧約聖書から8人、新約聖書から5人のヒロインが取り上げられています。

 一言で「聖書」と言っても、旧約ならば正典39書、新訳ならば福音書、使徒の書簡、黙示録合わせて44書もあります。更に外典も合わせれば倍くらいになるでしょうか。そんな大量の書籍を読むのはユダヤ教やキリスト教の信者ではない僕にとって容易な事ではありません。
 そんな大量の聖書の中から、特に目立った女性の活躍を平易な文章で紹介してくれています。この手の新書には珍しくイラストが使われているのも、手に取り易さに貢献しているかもしれません。

 残念なのは筆者の恣意が行間に強く表われてしまっている事と、内容や表現に繰り返しが多い点でしょうか。折角平易な文章で綴っているのに、そこでリーダビリティを下げてしまっては勿体ない。

 しかしながら、ともすれば断片的な知識だけになってしまいそうな聖書に関して「女性登場人物」というトピックに絞って、丁寧に解説してくれているのはありがたい事です。


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2004年7月27日火曜日

PIMとXML

 Mobile Newsにある携帯電脳日記の2004年7月26日に、山田さんが

 PIMで言えば,大雑把なPIMが好みだ。本当は,スケジュール,アドレス,ToDo,メモ帳といった区別がない方がいい。とりあえず,要件を入力し,複数のタグをつけて,必要だったら日付で予定をあらわし,ToDoのフラグをチェックしてしまえばいい。アドレスさえも,新規で人名を入力し,必要だったらふりがなや住所を入力する(ただし,そういったソフトウェアだと,PCとの同期は難しいだろう。私が知っているのはPC用のソフトウェアだけだ)。

と書いていたのを読んで思ったのですが、こういう大雑把なPIMってXMLを使えば簡単なんじゃないでしょうか。それもユーザがXMLの書式を知っている必要はなくて、[ToDo]だの[ADDRESS]だのというタグをPIMソフトウェアで定義してユーザはそれを使う。んで、内部でそのタグをXMLに変換して、データは常に行指向のバイトストリーム(プレーンテキスト)として保存する。

 この方法ならパソコンとの同期も簡単じゃないかな、と思います(現在膾炙しているPalm DesktopやOutlookと同期するのは簡単ではありません)。極端な話データファイルが行指向のバイトストリームで意味付けの仕方がXMLならば、パソコン側に特殊なPIMを用意しないでも大丈夫という人もしるでしょう。適当に<schedule date="*">とかいうタグがある行をgrepで探せば良いわけです。

 駄目ですかね。

追記

 山田さんが言う「大雑把なPIM」って平面的なデータ構造になると思うんだけれど、そういう平面的なデータを互いにハイパーリンクするシステムって、超漢字実身/仮身そのものですね。



【今日の読書】傭兵の二千年史/菊地良生/講談社現代新書

 古代オリエントに始まった傭兵という職業。その歴史についてヨーロッパを中心に解説しているのが本書です。

 多くの日本人にとって、賃金を得て人を殺す傭兵という職業は身近ではありませんし、理解可能な範疇ですら無いでしょう。そもそも僕の場合、そういう人が存在する事がピンと来ないというのが正直な所です。しかし筆者も書いているように、傭兵というのは娼婦に次ぎ世界で2番目に古い職業と言ってしまえるほど古い存在なのです。日本でも足利政権の頃に「足軽」という名の傭兵が大量に発生しています。

 最初は騎士の副業として行なわれていた傭兵稼業は、国によって賃金が支払われる事により農民の出稼ぎ集団になり、やがて専業の傭兵を生んでいきます。多くの国際戦争が発生したヨーロッパの地では、傭兵は戦争の度に出来し、様々な集団に利用されています。
 そうした傭兵主体の戦争から国民軍が発生した経緯や、絶対王政における軍隊の有様などに触れつつ、最終的には近代に於ける傭兵にも触れています。

 全体としてアッサリした記述ばかりなので、例えば有名なスイス傭兵(スイス護衛兵)について詳しく知りたい、というような目的には合致しません。逆にヨーロッパに於ける傭兵史を包括的に知るには大変参考になるでしょう。

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2004年7月26日月曜日

 2004年7月24日土曜日、セッション終了後、いつものように夕飯がてらファミレスに行き、みんなで駄喋っていた。その時の会話。

僕「Planar Handbookが発売したみたいですね。イエサブには既に並んでいるとか」
友人「へえ、まだAmazonからは届いていませんよね」
僕「ええ発送のメールも来ていないです」
友人「どんな内容になるんでしょうねえ」
僕「以前Bruce R. Cordellがインタビュに答えていた時には、『Planar HandbookはManual of the Planesの3.5E版にはならない』と言っていましたけど」
友人「確かに3.5EだとDMGにある程度Plane情報が掲載されてしまっていますからね」
僕「どうせ、いつものようにmore feat、more spell、more class……で、ちょっとだけSigilのデータとかが掲載されているんじゃないですか」
友人「うーん、そうなんですかねぇ……」

 分かりきっていた事とは言え、翌25日に到着したPlanar Handbookみたら本当にmore feat、more spell、more (prestige)class……で、ちょっとだけOuter Planeにある都市のデータが載っているだけでした(Sigilのデータもあります)。AD&D2ndの頃のPlanewaker's Handbook的な内容を期待していたんですけれどね。
 気が向いたら簡単なレビューでも書きます。

電子と陽電子を背負って

 IONというWindow Managerを入れてみたのですが、これも硬派というかある種の実利重視の凄いWMですね。メインマシンのThinkPad X23はXGA(1024x768)という、さして広くもない画面なので、有効利用したければ良い選択かもしれません。
 ただskkinputとの相性が良くない――というか変換候補選択用ウィンドウが開くとフォーカスが変になって候補選択ができなくなってしまいますね。
 スクリーンショットは、こんな感じです。

 月刊TRPG.NET7月号が掲載されました。今月は「恐怖」特集です。
 僕も2つ記事を書いているので、暇だったらどうぞ。

【今日の読書】生命と非生命のあいだ/アイザック・アシモフ/早川文庫NF

 博覧強記の愉快なおじさんアシモフ博士による、科学エッセイシリーズの4作目です。
 アシモフは元々生物系が専門らしく、今回は特に饒舌に語っているのでシリーズ15作中でも最もページ数が多くなっています。
 地球での生命誕生から生命の種類に始まり、宇宙に於ける生命の可能性等々。様々なな事象をアシモフらしいユーモラスな視点で分析し、更に考察しています。この書籍は1960年代後半か1970年代前半位に書かれたようなのですが、その時点でのアシモフによる未来予想図が展開されています。中には楽観的(2000年には人類は冥王星に達っする等)もありますが、的中している予想も多々あるのは流石と言う所でしょうか。
 後半ではロボットを含む非生命やSFに於ける生命の扱いの話題もあります。SF作家であり科学者でもある著者が、科学の躍進によってSFが苦境に立たされてしまう事について喜びつつも苦しむ姿も可笑しみを誘いますね。

 最後にアシモフのユーモラスな語り口の一部を紹介してみましょう。

「私はとんでもなく遠慮っぽいので、ここで自分がロボットの世界的権威として認められていることを微に入り細を穿って説明するわけにはゆかない。そこで要点だけを簡潔に申し上げる。つまり、私はロボットの世界的権威として認められているのである」

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2004年7月23日金曜日

違いの分かる男

 僕は食への興味が薄いので、食材に関する知識は全然持ちあわせてい。中でもサッパリ分からないのは、ソーセージ系の食品。ソーセージ、フランクフルト、ウィンナー、チョリソー、サラミ。どれも似たような物なのに、名前が違う。
 分からなければ知らべるのみ、なのである。

ソーセージ
牛・豚・羊の腸などに調味した挽(ひ)き肉を詰め、湯煮した食品。湯煮ののち薫製したものもある。腸詰め。

フランクフルト
ソーセージの一種。正式にはフランクフルト・ソーセージ。フランクフルトはドイツの地名。通常のソーセージよりもやや太い燻製のソーセージの事。フランクフルターとも言う。

ウィンナー
ソーセージの一種。正式にはウィンナー・ソーセージ。日本農林規格では特に太さ(直径)が20mm未満の物を言う。

チョリソー
ソーセージの一種。スペインで作られた辛味の強いセミドライ・ソーセージの事。
サラミ
ソーセージの一種。正式にはサラミ・ソーセージ。牛と豚の肉に豚脂を混ぜて、食塩・ニンニクで強く味を付けた上で乾燥させたソーセージ。

 ついでに昔はハムもソーセージの仲間(巨大なソーセージ)だと思っていた。なんといってもシルエットが似ているのだから仕方あるまい、と思うのだがどうだろうか。

ハム
豚肉を硝石などをとかした食塩水に漬け込み、薫製にした食品。もも肉の骨付きハムが本来のものであるが、ほかにボンレス・ハム、ロース・ハム、プレス・ハムなどの種類がある。


炎の狐

 今まではMozillaスイートの方を使っていたのですが、sageというRSS Readerパネルが使ってみたかったので、Firefox 0.9をインストールしてみました。

 体感では起動速度が上昇したように思ったのですが、ちゃんと測定してみたら微妙に遅くなってますね。ページの描画が早いのが体感速度の上昇に繋がっているのでしょうか。
 それで肝心のsageですが、あまり使い勝手が良くないですね。まだ、ドキュメントを呼んでおらずデフォルトの状態で、適当に使っているからかもしれませんが。普通にRSS Readerソフトを入れた方が良いかなぁ。

2004年7月22日木曜日

ゆむ

 Red Hat Linux 9は2004年4月一杯でRed Hat社のサポートが切れてしまったのでup2dateコマンドを使って各種アップデートをする事はできなくなってしましました。
 しかしながら、Fedora Legacy Projectがアップデートパッケージを無償で提供してくれる事になったので、yumというコマンドを使えば、引き続き簡単にアップデートしていく事が可能です。

 僕は今までRed Hat Linux用のaptを使っていたのですが、yumもaptと似た使い勝手なので、スムースに移行する事ができました。yumを利用したRed Hat Linux 9のアップデート方法は@IT Linux SquareにあるLinux Tipsに詳しいので、それを参考にしてください。

【今日の読書】陰陽道 呪術と鬼神の世界/鈴木一馨/講談社選書メチエ

 D16さんの感想を見て読みたくなった本。

 一時期流行した「陰陽師」の裏側――真の姿という意味では表かもしれません――が書いてある書籍です。陰陽師というとオカルトとかファンタジとか一種の魔法的な性質を持つ異能者と考えられているのでしょうか。しかしながら、式神のような魔法が存在した筈もなく、実際には何か現実的な仕事を与えられた役職なわけです。この書籍には、そう言った「陰陽師の現実」が描かれています。
 筆者の言葉を借りるならば、平安時代に於ける陰陽師とは技術官僚に他なりません。一般人には理解できない知識を持っていて、それを使って歴を読んだり祭事を指揮するのが陰陽師の主たる仕事なのです。
 いい加減な本が多い中、丹念に一次資料を調べ、重要な部分は現代語訳した上で読者に提示して、「陰陽師の現実」を再構築していく筆者の学究的な態度には信頼が置けます。地に足の付いた確固たる存在としての陰陽師を知りたいならば必読の本と言えるのでは無いでしょうか。

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Emacs 21.3.50.1

 なんとなくEmacs 21.3.50.1(今日CSVUPした最新版)を入れてみました。今までは21.2(Red Hat Linux 9のCD-ROMに付属しているやつ)を使っていたのですが、とりあえずMule-UCSを使わないでもUnicode(UTF-8)のファイルが読めるのは良いですね。Mule-UCSは無茶苦茶重いんですよねぇ。これを使うか使わないかでEmacsの起動時間が倍も違うんですから。

 まだアップデートして30分も経過していないので、細かい違いは分かりませんが、徐々にその辺りも浮き彫りになってくるでしょう。

2004年7月21日水曜日

IPAフォント無償公開

 独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)が作成したIPAフォントが無償公開されていますね。見てみれば分かると思いますが、とても綺麗なTrueTypeフォントです。

 PC-UNIX界隈では東風フォント作製終了以来、自由に利用可能で綺麗なTrueTypeフォントが(あまり)無い事が問題になっていました。そんな中にあってIPAフォントのように緩やかな使用条件で高品質なTrueTypeフォントが公開されるのは嬉しい事です。

 早速インストールしてみたのですがIPAのサイトにあるtar.gzのファイル

# tar zxvf grass5.0.3_i686-pc-linux-i18n-ipafull-gnu_bin.tar.gz
と解凍すると大変な事になるので注意して下さい。なんとカレント・ディレクトリにざらざらと沢山のファイルとディレクトリが解凍されてしまいます。適当に空ディレクトリを掘ってから、その中で解凍するようにしましょう。

遠泳

 最近とみに暑くなってきたし、ジムにプールがあるので泳ぐ事にしました。水泳するのは実に5年振りくらいでしょうか。
 やっぱり衰えてますねぇ。1000mも泳げませんでしたよ。中学生時代は夏休みになると毎日3000mも遠泳していたと言うのに。しかし水泳をすると全身ぐったりしますねぇ。水の中にいるから気が付きにくいですけど、相当汗もかいているようで大変喉が渇きました。
 アップのつもりだったのに、気が付けば全力で泳いじゃってましたよ。その後の筋トレは辛かった……。

【今日の読書】森林の思考・砂漠の思考/鈴木秀夫/NHKブックス

 今更という感じもする、かなり有名な書籍です。高専時代の地理学の先生がこの本に大変影響されていて、授業中も盛んに引用していた記憶があります。

 人間の物の考え方には、森林から発生した円環的な思想と、砂漠から発生した直線的な思想がある、という所から論が始まっています。
 森林的思考とは、即ち仏教の思想。森の中にあって明日を生きるに困らず輪廻を信じるもの。砂漠的思考とは、即ちキリスト教(とその土台になったユダヤ教)の思想。砂漠という明日が不確かな場所を生き、来たるべき終末を信じるもの。

 この思想の差が文化・文明の差を生んでいるというのが筆者の主張です。

 後半では、この考え方を敷衍して日本に於ける森林的・砂漠的思考それぞれの発生の仮定を推測しています。

 多量の分布図を提示しながら、慎重に話を進める筆者の姿勢はとても好感が持てます。僕は自然科学を中心に学んで来た人間なので、こういった人文科学の考え方というのは新鮮味を覚えました。話題を呼んだだけの事はある本だと思います。

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2004年7月20日火曜日

【今日の読書】遊びと人間/ロジェ・カイヨワ/講談社学術文庫

 TRPGゲーマの間では割と有名な本ではないでしょうか。フランスが擁する知識人カイヨワによる「遊び」に関する考察です。

 前半部分は「遊び」の種類と分類に関する話ですが、この分類がなかなか興味深いですね。カイヨワによれば、遊びは模擬、競争、運、眩暈の4つに大別できるという事です。模擬とは「お医者さんごっこ」に代表されるゴッコ遊びのようなもの、競争とは将棋やチェスといった他人との勝負を行なうもの、運はチンチロリンのようなもの、眩暈というのは子供がグルグルと激しく回りながら動きまわるようなもの、の事です。

 後半部分は「遊び」の文化論でしょうか。社会に於ける遊びの意味や宗教との関係など広汎な事柄について論じています。

 ゲームについて考えるならば、一読しておいた方が良い書籍と言えますね。

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オタクの結婚

 『我が妻との闘争』なんていうサイトを発見しました。どうもマックピープルに連載され、更に単行本化もされた話のようです。

 内容には多分に脚色があるとは思います。それにしてもこういう話を見ると結婚は恐しいだけのものに思えますね。クワバラクワバラ。

Happy Hacking Keyboard 2

 所有欲を満たす為だけにHappy Hacking Keyboard 2(PD-KB02/P)を購入してしまいました。1.4万円もするキーボードです。
 最近ではJIS配列だけれどカナ文字の刻印が無いHappy Hacking Keyboard Lite2日本語配列<かな無刻印>やら東プレ製の静電容量無接点方式スイッチを採用したHappy Hacking Keyboard Professionalが話題になっていますが、そこで敢えてHHK2。
 静電容量無接点方式スイッチは慣れれば天国なのかもしれないのですが、どうも軽すぎる感じがして好きになれないんですよね。自分が底突きするタイピングだというのもあるとは思います。HHKLite2の英語配列版も持っているのですが、やっぱりHHK2の方が配列がスッキリしていのは良いですね。

 IBM 84 Space Saverに替わってメインキーボードにしても良いかなぁ。でもBuckling Spring程キースイッチの耐久性は高くなさそうなんで、長い間(向こう10年くらい)使うつもりなら2、3本まとめ買いしなければいけないかもしれませんね。

ぷらっとオンライン

【今日の映画】キング・アーサー

ストーリィ : ★★☆ アクション : ★★ 映像 : ★★★ 音楽 : ★★

 いつものようにSCOOTERを誘い、土曜日の夜中に先行レイト・ショウで観てきました。日本では「アーサー王と円卓の騎士」という名前で知られている伝説の話です。

 所謂聖杯伝説の部分ではなく、どちらかと言えば史実をベースにした話になっています。ローマ帝国、ブリテン(イギリス)の原住民ウォード、そしてローマの敵であるサクソン軍という三つ巴の中で、アーサーとその仲間達がどのように活躍するのか、が映画のメインになっています。

 どうもアーサー王伝説に関する基礎的な知識を、観客が持っているものとして描かれているようなので、それを全然知らない人は説明不足、描写不足と感じてしまうでしょう。僕もさして詳しくは無いので、多少はそのような感想を持ちました。アーサー王伝説なんてイギリス人にとっては、日本人にとっての桃太郎くらいの常識なんですかねぇ。

 それにしてもサクソン軍の王様は良い味を出していました。声がとても渋い。

2004年7月15日木曜日

 宮本さんのBlog『Deck of Many Things』で

 他にも実話らしいのだが、「Rogueが、bracers of armor +3, Dex 18, ring of protection +1, amulet of natural armor +2, DodgeとMobilityのfeatを持っていて、fighting defensivelyする。Rogueは、 wraithとlongswordを持った透明なfighterとのthreatened squareを通過し、手にinflict light woundsを保持したClericの隣に停止して、grappleを試みる。RogueはClericに対しDodgeを宣言する。誰が誰に対しACが幾つでAoOの権利があるか述べよ。」という問題も。

 ルールの勉強という意味では有用と思うので、誰か我こそはと思う人は回答をコメント欄にどうぞ。

 なんて話題が上がっていました。最初コメントに書こうと思ったんですが文字数オーヴァーで怒られてしまったので、こっちに書きます。以下回答。

 ルールは3.5Eだと考えます(Threatened AreaではなくThreatened squareと書かれていますし)。

 まずAoOの権利から。

 Threatened Squareを通過した事によるAoOをWraithとFighterからRogueは受ける。
 Improved Grappleを持たずにGrappleを試みた事によるAoOをClericからRogueは受ける。

 それぞれのAoOに対するRogueのAC

 WraithによるAoOはIncorporeal Touch Attackなので、有効なACはBracers of Armor+3、Dex18(+4)、Ring of Protection+1、Mobility(+4)、Fighting Defensively(+2)なので、AC24AC22
 透明な(Invisibilityしている)FighterからのAoOに対しては、Bracers of Armor+3、Dex18(+4)、Ring of Protection+1、Amulet of Natural Armor+2、Mobility(+4)、Fighting Defensively(+2)なので、AC26AC24。もしこのRogueがUncanny Dodgeを持っていないならばInvisible Attackerに対してはDex Bonus(及びDodge Bonus)がACに加算出来ないので、AC16。
 ClericからのAoOは、相手がInflict Light WoundsをHoldしている為Touch Attackなので、有効なACはDex18(+4)、Ring of Protection+1、Dodge(+1)、Mobility(+4)、Fighting Defensively(+2)となりAC22AC18

追記

 冷静に考えるとFighting DefensivelyはAttack ActionなのでRogueが攻撃し始めるまではACに対するBonusは発生しませんね。
 また、MobilityのBonusは移動によるAoOに対してしか働きません。よってGrappleが原因で発生した、ClericからのAoOに対してBonus加算するのは誤りですね。


追記2

 もし遡上のRogueがRogue Level 2以上でTumble Skillを5 Rank以上持っているならば、Fighting DefensivelyによるDodge Bonusは+2から+3に上昇します。従って、その時はClericに対するACが1上昇し19となりますね。
 Kiryuさん御指摘ありがとうございます。

 それぞれのBonusは、

  • Bracers of Armor = Armor Bonus(但しIncorporeal Touch Attackにも有効)
  • Dex = Dexterity Bonus
  • Ring of Protection = Deflection Bonus
  • Amulet of Natural Armor = Natural Armor Bonus
  • Dodge = Dodge Bonus
  • Mobility = Dodge Bonus
  • Fighting Defensively = Dodge Bonus

 多分これで合っていると思います。でもこんな問題、D&Dばっかりプレイしている人なら直ぐ分かるんじゃないかなぁ。少なくとも、うちのグループの人は皆分かるでしょうね。



2004年7月14日水曜日

広告トラバ?

 これって広告トラバじゃないかなぁ。こういう風に全然関係ない記事に対してトラックバックする動機ってタチの悪い宣伝としか考えられないんだけど。もしそうだとしたら、非常識というか無神経というか。

【今日の読書】コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液/臼井隆一郎/中公新書

 これも古本屋で購入した本です。僕はコーヒーが好きなので、気になって買ってしまいました。
 失敗でした、結論から言えば。

 本当は「コーヒーの歴史」的な内容を期待していたのですが、そうで無いんですねこれが。単にコーヒーをダシにした世界史談議。しかも変にコーヒーが話の中心にあるもんだから、場所も時代も飛び飛びに紹介されるのでまとまって頭に入りません。
 良く見てみれば筆者もコーヒーの専門家じゃないし。文章は読みにくいし、無理してジョークを入れたりしているから欝陶しいし中古で良かった、という所。

 僕の求めていた物を是とするならば、この書籍が全体的に酷い事は確かなんですが、それでも幾つか面白い発見はありました。16世紀後半から17世紀にかけての、イギリスに於けるコーヒーハウスの在り方なんかは、全然知らなかった事でしたし。

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2004年7月13日火曜日

 4ヶ月ぶりにDead Poet Societyを更新しました。
 Dungeon Magazine #100に掲載された『Lich Queen Beloved』ことIncursionのプレイレポートです。滅茶苦茶なシナリオですよこれ。面白いけど。

デンコちゃんはご立腹

 電柱に付いているヒューズが飛ぶ事なんてあるんですね。如何に大きなヒューズでも過電流になれば飛ぶのは分かるけれど、それが身近な所で発生するとは思いませんでした。

 実は土曜日に、自宅の目の前にある電柱のヒューズが飛んだんですよね。

 突然家内部にある半分の電源が落ちたんです。不思議な事にブレーカは落ちていないし、半分の電源は普通に稼働しているように見えました。そこで学生時代に使っていたテスタを取り出して、2階建合計6LLDKK(二世帯なのでリヴィングとキッチンは2つある)に及ぶ全てのコンセントと照明器具を調べましたが、落ちている電源位置に規則性は発見できず。配線図が無いから当然なんですが。
 仕方無いので東京電力に電話して調査してもらったら、前述の通り電柱に付いているヒューズが飛んでいた訳です。夏の真っ昼間に2時間近く冷房無しで過すのは辛かった……。

2004年7月12日月曜日

【今日の読書】日本語練習帳/大野晋/岩波新書

 5年程前にベストセラーになった本です。僕は天邪鬼な人間なので、流行している本は余り読まないのですが、古本屋で安く売っていたので購入しました。

 筆者は岩波書店が刊行している国語辞典の編纂などをしている日本語のプロと言える方です。この書籍の中でも、その能力は遺憾無く発揮されているように思えます。
 まず説明文の論旨が明確で分かり易い事。そして例文も特異な物は上げず、新聞や過去の有名文学作品と言った癖の少ないものが選ばれています。

 ポイントを絞って、手っ取り早く「読み易い日本語の文章」を書く為のテクニックが知りたい人は目を通すと良いのではないでしょうか。
 筆者の方は本文の中から極力恣意を排除するように努力されたようですが、やはり所々著者の主義主張が見えてしまっているのが残念な所でしょうか。

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【今日の映画】スパイダーマン2

 ストーリィ : ★★☆ アクション : ★★☆ 映像 : ★★★☆ 音楽 : ★★

 7月10日に公開されたスパイダーマン2。初日に観てきました。この手の映画にしてはストーリィラインがハッキリしていて分かりやすいのが良いですね。それとスバイダーマンが糸を使って、摩天楼の空を舞うシーンは見ていて爽快です。
 おしむらくはヒロインがちっとも美人じゃないことでしょうか。

2004年7月11日日曜日

 Archfiendに続いて、D&D MiniaturesのGiants of Legendを3箱注文し、今日到着しました。

 しかし3箱ともHuge sizeがBuletteってどういう事ですか……。悲しい。

2004年7月9日金曜日

TrackPoint

 ThinkPadのTrackPointには3種類のキャップがあります。
 ネコの舌のようなザラついた手触りのクラシック・ドーム・キャップ。これは、昔からThinkPadシリーズに使われてきた伝統的なキャップです。

 そして2003年に登場した2種類。
 径が大きく、その先端に沢山の小さなイボイボが付いているソフト・ドーム・キャップ
 先端が皿のような形状をしているソフト・リム・キャップ

 僕はソフト・リム・キャップが気に入っていて、最近までそれを使っていました。しかし久方ぶりにクラシック・ドーム・キャップに戻したのですが、やっぱりこのザラついた感触は良いですね。操作性も良いですし。ただ長い時間連続使用していると人差指が疲れてくるのが難点でしょうか。ソフト・リム・キャップだと疲れ難いのですが。

 ポインティング・デヴァイスとキーボードは、パソコンを使用する際のユーザの使い心地に対して、極めて支配的な地位にあるので様々な選択肢が用意されていて、それぞれのユーザに合った物を使えるのはとても良い事ですよね。

【今日の読書】一億三千万人のための小説教室/高橋源一郎/岩波新書

 世には「文章読本」だの「新人賞の取り方」だのと、小説の書き方を解説する本が沢山あります。僕は高橋源一郎さんのこの本を読むまでは、その手の本は全く読んだ事がありませんでした。誰もが考える事だとは思いますが、そんな本を読んだ所で小説が書けるようになるとは、とても思えなかったからです(強いて言えば「小説の書き方を説明する本」の書き方は分かるでしょう)。

 本書も「小説教室」と題されている事から、世に溢れる「小説の書き方」と同じような事が書かれていると思うかもしれません。確かに本書では、小説の書き方について、独特の方法を用いて説明しています。しかしながら、僕がこの本を読んで受けた印象は、小説の書き方を説明している本というよりは、小説とは何かを考える本だな、というものでした。ですから、小説の書き方を求めてこの本を手に取った人は失望してしまうかもしれません。

 元々は、著名人が一日先生になって小学生相手に、それぞれの得意分野に関する授業を行なう、というテレビの企画だった為か平易な文章で書かれています。また、胡麻化しを一切せずに、真摯な態度で「小説」というものを考えていく作者の姿勢は快いものを感じました。

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MUSCLE POWER 50と攻チタン

 MUSCLE POWER 50(MP50)攻チタン(BG75TI)を20ポンドで張りました。まだ2時間程度しか使用していませんが、なんだか打感が硬い感じがしました。11月当たりにMP50を購入して以来、技チタン(BG88TI)強チタン(BG65TI)をそれぞれ20ポンドで張って来ましたが、その3つの中では強チタンが自分には合っているようです。
 攻チタンの次ぎはBG70PROBG65 POWERを20ポンドで張っていくつもりです。やっぱりこうしてガット以外のパラメータを固定して比較しないと、それぞれのストリングが持つ特徴は分からないものですね。

2004年7月8日木曜日

【今日の読書】迷宮学入門/和泉雅人/講談社現代新書

 迷宮とは何か。

 迷宮の起源、発展、歴史、分布等について数々の図や写真を用いながら懇切丁寧に紹介してくれているのが本書です。

 僕のようなD&Dゲーマならば「迷宮とは何か」と問われれば、すかさず「それは即ちダンジョンである」と答えるかもしれません。
 しかし僕等が想定する、所謂ダンジョンは迷宮ではないのです。言葉遊びと言われるかもしれませんが、ダンジョンは迷宮(labyrinth)ではなく迷路(maze)なのです。

 本書によれば迷宮とは秩序だった存在であり、迷宮を支配しているのは高度な計算と理性に他ならないのです。迷宮は常に入口から最奥部まで1本道であり、決して枝分かれしたり道が交差したりする事はありません。
 他方で、迷路と言う場合は、中に入った者を混乱させる目的を持って、入り組んだ通路で構成された建築物の事を指します。

 迷宮が持つ、儀式的な意味、宗教的な意義。D&Dゲーマならば知っていても損は無いでしょう。

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【今日の読書】時間と宇宙について/アイザック・アシモフ/早川文庫NF

 博覧強記の愉快なおじさんアシモフ博士による、科学エッセイシリーズの3作目です。合計15冊に及ぶこのシリーズは、浅く広くかなり広汎な科学的な事象を説明しています。

 本書では前半半分が「時間」がメインに、後半部分が「宇宙」がメインになっています。このおじさん、兎に角アレコレと考えて捏ね繰り回すのがお好きなようで、太陽系はおろか銀河系に存在する様々な天体について調べては考察し、そこから導き出される事を読者に面白可笑しく伝えてくれます。
 高校卒業程度の数学・物理・化学の知識があると、極めて楽しめるのではないでしょうか。逆にそれらの学問について大学院レベルの知識があると、既知の事柄が多くさして面白くは感じないかもしれません。それでもユーモラスなアシモフの説明は一見の価値があるのではないでしょうか。

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胆石発作

 実は火曜日の夜に母親が胆石発作を起こして、検査の為に急遽入院しました。その入院手続きやら何やらで、現在バタバタしてます。プレイリポートも書き進まない……。

2004年7月7日水曜日

6月からプレイし始めたD&D3.5Eキャンペーンのプレイレポートを書いているのですが、最近レポートを書いていなかった所為か、時間がかかっています。高レベルPCによるセッションなので、色々と書き辛い事もあるんですが……なんとか今日中には完成させたいですね。

完成したら、久々にDead Poet Societyの方にアップする予定です。

2004年7月2日金曜日

もっと光を

 色々あってADSLの導入が困難なので、光ファイバにする事にしました。最大100Mbpsの回線なんて、明らかにオーバスペックなんですけどねぇ。

 古いMebiusが眠っているので、それを復活させた上で、ダイナミックDNS使ってコッソリとサーバでも立ててみましょうか。その前に、セキュリティ関連の設定をキッチリ学ばないとな。最初はiptablesの設定かな。

 取らぬ狸の皮算用しても、しゃーないですな。申し込んだのが今日なんだから、実際に回線が敷設されるのは1ヶ月以上先ですからね。

 サーバ用のOSは何にしようかなぁ。FreeBSD-4-stableかDebian stableか、はたまたGentooか。Mebius復活させるとしたら、Gentooは無しかな。Celeron300MHzじゃあコンパイルに時間が掛かり過ぎて、何時まで経ってもサーバの構築が終わらなそうだ。

【今日の読書】読者よ欺かるるなかれ/カーター・ディクスン/早川ミステリ文庫

 ヘンリー・メリヴェール卿が活躍するシリーズ。題名が煽情的ですよね。内容も推して知るべしというか、作者自身の作風を上手に利用したミスディレクションが多々あります。

 最近翻訳されたという事もあり、訳文も読み易いのだと思いますが、物語の流れがスムースに頭に入って来ました。しかし、登場人物が事件後に書いたという体裁なのか、所々「読者」を意識し過ぎた註釈などもあり、ちょっと雰囲気を壊してしまっている点が気になりました(僕がそう感じるだけかもしれませんが)。

 トリックが複雑怪奇でも無いし、翻訳も新しく、読み易いプロットなのでカー初心者に最初の1冊として勧めるのに丁度良いかもしれません(僕はいきなり『三つの棺』とかから入るのはどうかと思う)。