2004年7月26日月曜日

【今日の読書】生命と非生命のあいだ/アイザック・アシモフ/早川文庫NF

 博覧強記の愉快なおじさんアシモフ博士による、科学エッセイシリーズの4作目です。
 アシモフは元々生物系が専門らしく、今回は特に饒舌に語っているのでシリーズ15作中でも最もページ数が多くなっています。
 地球での生命誕生から生命の種類に始まり、宇宙に於ける生命の可能性等々。様々なな事象をアシモフらしいユーモラスな視点で分析し、更に考察しています。この書籍は1960年代後半か1970年代前半位に書かれたようなのですが、その時点でのアシモフによる未来予想図が展開されています。中には楽観的(2000年には人類は冥王星に達っする等)もありますが、的中している予想も多々あるのは流石と言う所でしょうか。
 後半ではロボットを含む非生命やSFに於ける生命の扱いの話題もあります。SF作家であり科学者でもある著者が、科学の躍進によってSFが苦境に立たされてしまう事について喜びつつも苦しむ姿も可笑しみを誘いますね。

 最後にアシモフのユーモラスな語り口の一部を紹介してみましょう。

「私はとんでもなく遠慮っぽいので、ここで自分がロボットの世界的権威として認められていることを微に入り細を穿って説明するわけにはゆかない。そこで要点だけを簡潔に申し上げる。つまり、私はロボットの世界的権威として認められているのである」

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