2009年10月2日金曜日

モンスタの防御値

 以前『Minion対策』、『Minion対策2』というエントリで、雑魚(Minion)の防御値について検証しました。
 今度は、雑魚以外のモンスタの防御値について検証します。

 調査対象は英語版を含むルールブックに掲載されているモンスタの内、雑魚を除く1341種類です。それぞれの役割、級毎に平均値をまとめてみました。ちなみに以下の表に出てくる防御値は、そのモンスタのそれぞれの防御値からモンスタのレベルを減算したものを元に計算しています。
 例えばLV20でAC35、頑健34、反応30、意志31というモンスタであれば、AC15、頑健14、反応10、意志11という値を用いているわけです。
 つまり、以下の表に出てくる役割毎の平均値にモンスタのレベルを加算すれば、任意のレベルに於ける各役割の平均的な防御値が分かる事になります。

 まずは英雄級を見てみましょう。

英雄級
AC頑健反応意志データ数
砲撃役13.1 11.3 12.3 11.8 66
暴れ役12.4 13.1 10.9 10.3 113
制御役14.3 11.8 11.9 12.7 83
奇襲役14.3 11.9 12.7 11.4 58
遊撃役14.3 11.9 12.8 11.1 133
兵士役16.1 13.6 12.1 11.6 118
平均14.1 12.3 12.1 11.5 571

 暴れ役の防御値の低さが目立ちますね。頑健防御値を除いて全ての防御値が最下位です。また砲撃役も全体的に低めです。各役割毎のHPが原則として

  • 暴れ役: Con+Lv*10
  • 砲撃役、遊撃役: Con+Lv*6
  • それ以外: Con+Lv*8

である事を考えると、砲撃役は極めて脆い事が分かります。また、相手が制御役でさえ無ければ意志防御値を狙うのは常に有効と言えるでしょう。

 次は伝説級です。

伝説級
AC頑健反応意志データ数
砲撃役12.0 11.5 12.0 12.0 61
暴れ役12.8 13.9 10.8 10.9 87
制御役14.9 12.9 11.9 13.3 110
奇襲役16.0 15.5 15.0 12.0 45
遊撃役14.5 12.3 12.8 11.4 88
兵士役16.3 14.3 11.9 11.9 98
平均14.4 13.4 12.4 11.9 489

 奇襲役が異常な値を示していますが、これは恐らく奇襲役のデータ数が少ない上に伝説級の奇襲役の半分近くが精鋭・単独モンスタである事が原因だと思われます。精鋭・単独モンスタは、標準モンスタと比べて防御値が1.5ほど高く設定されています。従って、その点を考慮するならば上記の表の奇襲役の値は1、2点減じると調度良いのではないかと思います。
 奇襲役の異常値さえ除けば、概ね英雄級の特徴そのままです。一点だけ重要なのは、英雄級では、頑健と反応は役割全体の平均値で言うとほぼ均等でしたが、伝説級では頑健の方がやや高くなっている所でしょう。

 それぞれの級での『標準モンスタ:精鋭・単独モンスタ』の比は、英雄級で5:1、伝説級で5:4、神話級で2:3となり、精鋭・単独モンスタの割合が急増していきます(レベルの高いモンスタほど種類が少ないのが原因でしょう)。

 次に神話級です。

神話級
AC頑健反応意志データ数
砲撃役13.6 12.1 12.7 11.8 31
暴れ役13.1 14.5 10.3 10.6 62
制御役15.3 12.8 12.8 13.6 66
奇襲役15.4 13.2 13.7 11.4 19
遊撃役14.3 12.5 12.3 10.8 38
兵士役16.6 14.3 12.0 11.5 65
平均14.7 13.3 12.3 11.6 281

 奇襲役の異常値が消えました。同じように精鋭・単独モンスタが多い筈ですが、他の役割でも同じように精鋭・単独モンスタが増加したために奇襲役の異常値が埋もれたからでしょう。
 ここまで見てわかるのですが、基本的な傾向は英雄級から殆ど変化がありません。やはり4版は非常に注意深くデザインされていると言えるでしょう。

 最後に1-30レベル全体の平均です。

全体
AC頑健反応意志データ数
砲撃役13.1 11.7 12.3 11.8 158
暴れ役12.7 13.7 10.7 10.6 262
制御役14.8 12.5 12.1 13.2 259
奇襲役14.5 12.3 13.1 11.5 122
遊撃役14.4 12.1 12.7 11.1 259
兵士役16.3 14.0 12.0 11.7 281
平均14.3 12.7 12.2 11.7 1341

 溜息が出るくらい上手に設計されていますね。間違いなくウィザード・オブ・コースト内には新しくモンスタをデザインする際の規約があるのでしょう。平均値だけではなく中央値や最頻値も検証してみたい所ですが、流石に時間がかかりすぎるのでこれくらいにしておきましょう。

 と言いつつ、もう1つ表をご覧頂きます。

 次の表の内、値Aは『4つの防御値のうち最大の値から最小の値を減じたもの』、値Bは『ACを除く3つの防御値のうち最大の値から最小の値を減じたもの』について、それぞれレベル毎に平均を取ったものです。

LvAB
13.62.8
23.52.3
33.82.5
43.62.5
53.92.9
63.72.9
73.82.6
83.82.8
94.23.2
104.63.5
114.23.3
123.72.8
134.23.0
144.13.0
154.13.1
164.23.3
174.73.7
183.93.0
194.54.0
204.73.9
214.23.4
224.63.8
234.93.5
244.94.3
255.94.5
265.24.3
274.73.6
285.14.2
295.74.9
305.24.5

 最小二乗法で求めた近似曲線のグラフでも付けると分かりやすいのですが、面倒なのでやめます。しかし、表を見るだけでも、レベルが上昇する毎に差が大きくなってくのが分かるかと思います。この表の意味する所は、弱点の防御値を攻撃すえば命中率が10-25%程度上昇するという事です。



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