- 書名
 - 良い経済学 悪い経済学
 - 著者
 - ポール・クルーグマン
 - 訳者
 - 山岡 洋一
 - 出版
 - 日経ビジネス人文庫
 - 価格
 - 748円
 - ISBN
 - 978-4-532-19010-1
 - bk1
 - http://www.bk1.jp/product/01938149
 
 本日読了。『Pop Internationalism』の翻訳です。この本はクルーグマンが書いた評論などをまとめた物ですが、どの評論も雑駁に言うと「アメリカの国際競争力が減少した故にアメリカは困難に陥いっている」と主張する――クルーグマンが蔑称する――俗流経済学者達に正当な経済学の理論を使って真っ向から反対するという内容です。論評の中で筆者は幾つかの有名な「エコノミスト」とその著書を名指しで批判しはっきりと「間違っている」と指摘しています。
 ソーカルの『知の欺瞞』めいた所があります。そして訳者による解説でもクルーグマンを「それでも地球は丸かった」と科学的に正しい主張を続けたガリレオに準え、反対する人々を頑迷で非科学的な教会に例えています。しかしこれはちょっと違和感がありますね。ガリレオの主張は天文学という極めて厳密で科学的な証明の上に成立していますが、経済学というのはそれほど厳密なものではないしましてや科学でもありません。
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