1 年半程前に「D&D5 版 両手持ちと二刀流」という数値比較記事を書きました。この時コメントで KK-R さんから大変有意な指摘を頂いたのですが、それについて追加検証を書くのを忘れていました。計算自体はとっくの昔に終わっていたのですが、自分で納得して終わっていたようです。検証用スクリプトのタイムスタンプを見ると 1 年近く前だ……。
両手持ちはどうすればダメージ期待値で二刀流を超える乃至並び立つ事が出来るのか、それが問題です。諸条件は「D&D5 版 両手持ちと二刀流」と同じにします。手間を減らす為、それぞれのスタイルに合った Feat と Fighting Style を取得しているとします。つまり
- 二刀流: Two-weapon fighting style + Dual Wielder Feat、Longsword 二刀流
- 両手持ち: Great Weapon Fighting style + Great Weapon Master Feat、Greatsword 一刀流
となります。Str は今回の検証では変数扱いですが、初期値は 16 とします。またマジックアイテムや強化呪文、種族の特殊能力は考慮しません。
Str16 で Extra Attack が無い状態でのダメージ期待値を再掲します。
- 両手持ち
- Greatsword: 2d6+3 [平均値: 11.5]
- 二刀流
- Main-hand: Longsword 1d8+3 [平均値: 7.35]
- Off-hand: Longsword 1d8+3 [平均値: 7.35]
- [合計: 14.7]
Str を 16 から、18、20 と上昇させるとどうなるでしょうか。比較の為、表にまとめます。二刀流は Main-hand と Off-hand のダメージ期待値は同一なので以後、Main-hand を単に 2 倍した値を記載します。
Str | 両手持ち | 二刀流 |
---|---|---|
16 | 11.5 | 14.7 |
18 | 12.5 | 16.6 |
20 | 13.5 | 18.5 |
ファイターかパラディンかレンジャーかバーバリアンか分かりませんが 5 レベルになり Extra Attack が入ってメインの攻撃回数が増えた時の期待値は以下になります。
Str | 両手持ち | 二刀流 |
---|---|---|
16 | 23.0 | 22.0 |
18 | 25.0 | 25.0 |
20 | 27.0 | 27.8 |
ファイター 11 レベルになり Extra Attack (2) を得た場合の期待値です。
Str | 両手持ち | 二刀流 |
---|---|---|
16 | 34.5 | 30.3 |
18 | 37.5 | 34.1 |
20 | 40.5 | 37.0 |
ファイター 20 レベルになり Extra Attack (3) を得た場合の期待値です。
Str | 両手持ち | 二刀流 |
---|---|---|
16 | 45.0 | 36.8 |
18 | 50.0 | 41.5 |
20 | 54.0 | 46.3 |
ざっくりと纏めると、ダメージに対する固定値 (例えば Str 修正値) が増加すると二刀流が有利になります。Extra Attack の増加は両手持ちに利します (同様に Action Surge で追加攻撃した際のダメージの増加率も両手持ちの方が高い)。また数値は掲載していませんが、クリティカル確率の増加は両手持ちをより強化します。
Extra Attack が 1 回入った時点で二刀流と両手持ちは単純なダメージでは、ほぼ均衡します。AC や攻撃パターンの多様性では二刀流が有利です。他方で両手持ちは 1 つの魔法の武器があれば全ての攻撃が強化されるという利点があります。
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