2004年8月31日火曜日

【今日の読書】ポオ小説全集1/エドガー・アラン・ポオ/創元推理文庫

 探偵小説の始祖として有名なポオの全集です。全4巻からなる全集の1巻たる本書では、主としてポオの書いた怪奇、不条理小説を扱っています。

 ポオと言えば、後世の多くの作家に影響を与えたアメリカ屈指の文豪と言われています。モルグ街しかしらなかった僕は、最初「文豪」というイメージが湧かずに不思議だったのですが、本書を読んで文豪の文豪たる所以が分かった気がします。

 何よりもその筆致が凄いのです。単語の選び方、文の繋ぎ方、物語の機序どれをとっても圧倒的です。だいたい描かれている状況や物語自体はとても奇異なのに、それが不自然だと目に映らないのは、ポオの類い稀な筆力のお陰でしょう。
 日本なら夢野久作に近い作風だと言えます。現代の作家なら筒井康隆でしょうか。こういった不条理、不思議をあくまで自然に描ける能力というのは特異な才能なんだと思います。

 多少翻訳の悪さが目に付く所もありますが、さまざまなジャンルを跨ぐポオの文才を味わってみてはいかがでしょうか。


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Wikipedia

 Wikiを使ってみんなで作るインターネット百科事典たるWikipediaってのがありますよね。

 スラッシュドット・ジャパンに掲載された「Wikipedia創始者Jimmy Wales@本家」を読んでいて思ったのですが、このWikipediaって何げにアイザック・アシモフがファウンデーション・シリーズで描いたエンサイクロペディア・ギャラクシカ(Encyclopedia Galaxica)そのものですね。規模はgalaxy(銀河)というには規模が小さいのですが、計画の主旨としては同じな気がします。うーんSFだ。



週末の過し方

 このblogのカテゴリに「日記」を作り、更にその日記に分類されるアーティクルを沢山投稿しながらも、日記らしい日記を全然書いていませんね。

 平日の日記なんて、適当に書くと変わり映えしないしネタを仕込もうとすると並々ならぬ労力を要します。他方で、週末は大抵朝から晩まで出掛けて遊び呆けているので帰宅してからは日記を書く気力がありません。

 僕の週末の過し方は、おおまかに3つのパターンに分けられます。即ち、

  1. TRPGのセッションがある日(原則第1・3土曜日)
  2. バドミントンの練習がある日
  3. 1、2の何れも無い日

 1の日の過し方は単純です、早朝にセッション会場へ出掛けて終電で帰宅するだけ。
 2の場合は、練習の時間帯にもよりますが午前練習なら練習後は午後から買い物に行ったり映画を観たり。午後練習ならその後に映画か飲み、となります。
 3のパターンは発生確率が少なく、3ヶ月に1度くらいでしょう。バドミントンを教えに行っている学校が試験中で部活が無い、とかそんな時です。そういう日はtakesuの家に攻め込んで、ひもねすDVDを観ていたりします。
 休日に日がな一日自宅で過すというのは、2ヶ月に1度位しか無いんじゃないでしょうか。最近は読書するにも喫茶店に行ったりしますしね。自宅で無い方が、パソコンだの塗装道具だの余計の物が無いので読書に集中できるのです。



2004年8月30日月曜日

【今日の映画】LOVERS

ストーリィ : ★★☆ アクション : ★★★ 映像 : ★★★ 音楽 : ★★☆

 日曜日に友達と観てきました。リー・リンチェイ主演のHEROを作成したスタッフが作った映画なので、また風光明媚なシーンが多いんだろうと思っていたら予想通りでした。。ストーリィはまあまあでしょうか。映像と音楽はとても良いですね。
 条理無用な中国映画らしい殺陣はいつ観ても面白いです。ところでチャン・ツィイーって仲間由紀恵に似ていると思いませんか。

公式サイト



【今日の映画】ヴァン・ヘルシング

ストーリィ : ★★ アクション : ★★☆ 映像 : ★★★ 音楽 : ★★

 土曜日の夜に先行レイトショウを観て来ました。X-MENでブレイクしたヒュー・ジャックマンとアンダーワルードのケイト・ベッキンセールというなんともはやなカップリングの映画ですね。
 アクションが凄いわけでも、ストーリィが良いわけでも無いんですがD&Dゲーマとしての僕のツボを突く作品でした。ドラキュラ伯爵役のリチャード・ロクスバーグの演技は良かったです。微妙に狂った雰囲気が出ていました。

公式サイト



【今日の読書】騎士の盃/カーター・ディクスン/早川ミステリ文庫

 ヘンリィ・メリヴェール卿が活躍するシリーズの最後を飾る長編です。今回も密室モノなのですが、トリックが問題になるハウダニットではなく、むしろ犯人の動機が問題になるホワイダニットの趣向が強い作品です。カーにしては珍しいと言えるでしょう。

 犯人によって提出される謎が、なんとも不思議なのです。つまり「密室にある鍵のかかった金庫から、騎士の盃が出されていた。何故犯人は盃を移動しただけで盗まなかったのか」という謎です。盃は値千金のお宝なのに、犯人は苦労して密室に出入りしたのに、何故こんな事をしたのでしょうか。この動機に関する謎が本書の大きな魅力になっています。

 やかまし屋のレストレイドならぬマスターズ警部が今回は色々と活躍するのも見所でしょうか。何せH・Mに先駆けて事件の真相に気付いてしまうのです。しかし活躍する以上に酷い目に会うのは御愛嬌ですね。また、推理小説には珍しく、怪我人は出るものの死者が1人も発生しないのも特徴でしょう。

 作者十八番の密室状況を風刺しながら二転三転するドタバタミステリは、往年のカーならではの作品だと言えます。


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2004年8月27日金曜日

書見台

 以前から思っていたのです。D&Dゲーマや技術者には書見台が必要なんじゃなかろうか、と。なにしろD&Dのルールブックも技術書も巨大で重いものが多いわけです。例えばD&D3.5EのPHBなんてのは1kgを超えています。

 そんな重い書籍を、長い時間手で支えて読書を続けるのは辛い。更に、そういった書籍を見ながら作業したい場合、本の構造によってはページを抑えておくのが酷く面倒だっりします。

 そんなこんなで書見台なわけです。僕も1つ購入してみました。OAサプライで有名なエレコムから発売されているブックスタンドEDH-004。定価1800円の安価なものです。

 値段が値段だけにチープではありますが、使い勝手は良いですね。かなり分厚い書籍もホールドできるし(厚さ62cmまで可能)、ホールドしたままページ送りもできるのが良いです。



 一昨日の未明に月刊TRPG.NET8月号が公開されましたね。僕が書いた記事もあるので、暇ならどうぞ。

 さて、来月はリプレイ特集ですか。これまた困りましたね。どうしたものか。



2004年8月25日水曜日

【今日の読書】爬虫館殺人事件/カーター・ディクスン/早川ポケミス

 やかまし屋の名探偵ヘンリ・メリヴェール卿が活躍するシリーズです。何よりも本書は、その密室トリックが有名です。また本書の、結末に至る道筋はカーという作家の緻密さを表わしているように思えます。

 まず伏線の張り方が上手です。地の文だけでなく、登場人物の発言一つとっても非常に考え抜かれているように感じます。状況と登場人物の動きがトリック解決に綿密に関係していて、最後の部分でそれらが一挙に明かされるのは爽快です。

 いつものドタバタ劇も健在で、メリヴェール卿はのっけから大蛇とのチキンレースを展開しています。また本書には、極めて性根の悪い女商人が登場するのですが、これがなんとも嫌らしく描かれています。カーは文章ではなくプロットで勝負する作家だと思われがちですが、なかなかどうして人物描写も上手です。

 何より本書で使われている密室トリックは、構造としては単純で、とても簡単に理解できるものです。そう言った意味でカー最初の一冊には丁度良いのでは無いでしょうか。


早川ポケミス版(bk1) 創元推理文庫版(bk1)



2004年8月24日火曜日

キーボードの試し打ち

 僕はヨドバシカメラとかに行くと、時間がある時ならノートパソコンのキーボードの試し打ちをします。そんな時はマシンが起動しているならば、メモ帳かなにかを立ち上げて適当な長さの文章を打ち込む事にしています。しかしこれが以外に困るんですね。適当と言っても、意味の無い文字列(「jkfsaじlfrかawos」など)の入力では、手の動きが普段のそれとは程遠いので、試し打ちとしての用を無しません。かと言って適切な文章をパッと思い付く、というわけでもない。
 最初の内は、そのキーボードの感想をツラツラと打っていたのですが、1年位前から有名な次の文章に統一しています。

祇園精舎の鐘の音
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理を表わす
奢れる人も久しからず
唯春の夜の夢の如し
猛き者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ

 平家物語の冒頭部分です。小学校の頃に暗誦させられたものを、いまだに覚えています。三つ子の魂百まで、とは良く言ったものです。他にも杜甫の春望(国破れて山河あり――というやつ)とか清少納言の枕草子(春はあけのぼ。やうやう白くなりゆく山ぎは――ですね)とか思いついたんですが、一番長く思い出せたのが平家物語だったのです。



【今日の読書】青ひげの花嫁/カーター・ディクスン/早川ミステリ文庫

 「青ひげ」というのはフランスに伝わる民話です。その民話は次々と妻を殺した恐ろしい殺人貴族(王様)の話なのですが、本書『青ひげの花嫁』も、それをモチーフにしています。

 遺産目当てで次々と結婚しては妻を殺し、死体も残さずに消え失せる連続殺人犯。なんと犯人は11年の長きに渡って警察の手から逃れ続けています。更にこの青ひげは、密室から死体が消失するという謎を残しているのです。そしてマスターズ警部に懇願されて、押っ取り刀で登場したのが、我らがヘンリィ・メリヴェール卿です。

 犯人が最後に残した死体喪失のトリックは、わりと簡単で鋭い人ならば直ぐに気が付くでしょう。そういう点もあり、本書はカーには珍しくハウダニットよりもフーダニットの趣向が強い作品だと言えます。
 カー(H・M卿が、かもしれませんが)は周到にもフーダニットを意識して、幾つかのミスディレクションを用意しています。登場人物達はその陥穽に落ちてしまうので、それを読んでいる私達読者も、余程気を付けないと作者の罠に嵌ってしまうでしょう。

 大きなトリックこそ無いものの、小さいながらも鋭いレトリックが冴える作品です。


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青ひげ(Web同人誌Folioの記事)



2004年8月23日月曜日

行方不明の書評

 『パンチとジュディ』の書評は、このblogに掲載すると同時にbk1に投稿していたのですが、なかなか掲載されませでした。最近のbk1は仕事が早く、投稿の翌営業日か翌々営業日には掲載されていたので、変だな、と思っていました。もしかして没なのだろうか、と考えたんですが余程の事(公序良俗に反するとか)が無い限り大抵は掲載されるので、やっぱり不思議。

 と思っていたらbk1の担当さんからメールが来て、どうも僕が投稿した書評が途中で切れていたとの事。全文をメールで送信すれば掲載してくれるそうなので、早速送付しました。

 相変わらず対応が丁寧で好感が持てますね。僕が今までに利用してきたオンライン書店の中では、一番シッカリしていると思います。それにウェブサイトもシンプルで大変使い易い。この所bk1では、あまり買い物していなかったから、またガバッと利用しようかな。



二日酔い対策実験

 hangoverで調べた二日酔い対策を早速試してみました。やってみた事は、

  • 事前に二日酔い対策薬を飲む(ハイチオールCが良いらしい)
  • 酒を飲みながら水も沢山飲む(400ml程度)
  • 帰宅してからポカリスウェットを飲む(200ml程度)

 試したのは2回で、それぞれ飲んだのは以下の通り、

  1. ソルティドッグ1杯、バランタイン12年(ゴールドシール)をストレートで3杯
  2. ソルティドッグ1杯、バランタイン12年(ゴールドシール)をロックで4杯

 それぞれ飲んだ後の睡眠は6時間程です。両方とも二日酔いらしい症状はありませんでした。バランタイン12年を4杯飲んだ場合だと、翌日は軽く頭痛や倦怠感があったのですがそれも無し。余程大量に飲まなければ、この対策で二日酔いは防げそうです。



2004年8月20日金曜日

懐かしのソフトドリンク達

 The Archive of Softdrinkというサイトを発見しました。懐かしいソフトドリンクの話が沢山です。

 チェリオとかよく飲んだよなぁ。



 なんとか締切を守って、月刊TRPG.NETの原稿を投稿する事ができました。

 今回の記事は今まで投稿した中で最長の記事です。とはいっても、せいぜい6000文字程度ですが。実際には原稿を書くよりも、それをマークアップする方が大変でした(HTML形式で投稿しているのです)。しかし苦労の成果もあって、それなりに読みやすくなったんじゃないかと思います。

 公開は2004年8月25日です。



2004年8月19日木曜日

hangover

 多くの人は、二日酔いに悩まされた事があるのではないでしょうか。僕もご多分に漏れず酷い二日酔いを経験した事があります。しかし、こういうものって喉元過ぎればナントヤラで、頭痛やら体の不調に襲われている時は「なんとしてもこの状況を改善したい」と思うのですが、苦痛が無くなるとスッカリ忘れてしまいます。

 しかし今回僕が襲われた二日酔いは、そんな簡単には終われませんでした。何しろ当日は仕事がバッチリあるし、症状が酷い。激しい頭痛と吐き気のダブルパンチで全然仕事になりませんでした。最初は午後になれば、症状が柔らぐかと考えたいたのですが昼休みになっても苦痛は去る気配すらありません。呻き声を上げながら、二日酔い対策のサイトを検索していると、とても参考になるページを発見しました。

二日酔いの治療

 医者の人が書いているので、信頼のおける情報なのではないでしょうか。専門的な話が多いのですが、化学の知識が無い人間にも大いに参考になる情報です。



 今年のGen ConでAEG社から恐るべきモジュールが発売されます。その名も『World's Largest Dungeon』。

 説明によると、総部屋数1600以上、SRDに掲載された全てのモンスタが登場するそうです。モジュール自体はなんと800ページ超。

 さて巨大ダンジョンと言えば、最近邦訳された『邪悪寺院、再び』こと『Return to the Temple of Elemental Evil』に登場するダンジョンがあります。そのダンジョンは凡そ300部屋でした。僕は月1回のセッションペースで2年半かかって、このダンジョンを攻略しました(というか僕はDMだったので攻略された)。

 という事は、同じペースで遊ぶならば、このWorld's Larged Dungeonは13年と4ヶ月かかる計算になります。干支が一回りしちゃうわけですね。恐ろしい。

 既に僕はAmazon.comに注文してあります(SiGさんのBlogを見ていなければAmazon.comには気が付かなかったでしょう。感謝!)。そしてこのモジュールを使った、Never Ending Dungeon Campaignを画策中です。15ヶ年計画ですよ。



2004年8月18日水曜日

【今日の読書】パンチとジュディ/カーター・ディクスン/早川ミステリ文庫

 ヘンリー・メリヴェール卿が活躍するシリーズ。今回は視点人物の近くにH・M卿がいる事は少ないので、どちらかと言えば「暗躍」かもしれません。

 本書には殺人のトリックとは別に、大きな仕掛が用いられています。その仕掛がこの作品をとても際立たせているのではないでしょうか。読めば直ぐに気が付くのですが、この物語では最後の最後まで、発生している事件をちゃんと認識する事ができません。読者は状況を整理できないまま、物語はどんどん先に進んでいきます。

 言わば、事件が不在のミステリなのです。

 読者の目から事件そのものを隠してしまうカーのレトリックは驚嘆するべきものがあります。ある種のメタミステリと捉える事もできます。叙述の形態でミスディレクションを行ない読者を騙すトリックの事を叙述トリックと言いますが、騙すどころか事件を認識させないこの作品はディレクションレスなミステリなのです。

 普通に考えれば、ディレクションレスなミステリでは「小説」は成り立たない筈です(不条理な散文詩のようになってしまうでしょう)。しかしながら、読み終えてみればちゃんと「ミステリ小説」が完成しているのです。それはH・M卿という軸がコッソリ物語を支えているからなのでしょう。

 もう少し殺人トリックが不可解なものだったら、傑作と言われておかしくない作品です。カーは「密室の帝王」とか「不可能犯罪の巨匠」と呼ばれトリックの技巧が優れた作家だという評価が一般的ですが、こういったメタミステリ的な視点を、同時代の作家に先駆けて一早く作品に取り込んだ作家なのではないでしょうか。そのメタな視点は『読者よ欺かるるなかれ』や傑作と名高い『火刑法廷』にも表われています。


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【今日の映画】リディック

ストーリィ : ★★☆ アクション : ★★★☆ 映像 : ★★★ 音楽 : ★★

 ヴィン・ディーゼルのマッチョを楽しむ映画、と言ったのは僕の友人であるSCOOTER。公式サイトに行くと「壮大な銀河年代記の幕が開く」とか仰々しいコピーがありますが、世界設定はそんな大したものじゃありません。あくまでアクションを楽しむ映画です。

 タイトルからは全然分からないのですが、実はこの作品には『ピッチ・ブラック』という前作があります。これもヴィン・ディーゼル主演です。そして調べてみると、前作と今回の間を繋ぐ『リディック アニメーテッド』というアニメもあるみたいです。

 笑ったのは現在銀河を侵略中の帝国のトップの名前。「ロード・マーシャル」って何だよ。英語で書くならlord martial。lordは君主とか支配者とかそんな意味。martialは名詞と考えるなら軍人という意味です。つまりロード・マーシャルは軍人君主とかそんな意味になります。もうちょっと考えろよ監督、って感じの名前ですな。

 それはそれとして、映像は割かし綺麗です。宇宙に出ている事を除けば、なんとなくファイナル・ファンタジィ6当たりを彷彿とさせる映像が多いですかねぇ。あとラストはスッパリ終わっていて気持ち良いです。ヴィン・ディーゼルの渋い声は格好良かったですな。



手元の少スペース化

 『まだ人間じゃない。』のcaramel-manさんにトラックバックして頂いたので、折角だしネタに。

 caramel-manさんは、Happy Hacking Keyboard ProfessionalとTrackball Explorerというコンビネーションで机上の少スペース化をされているようです。僕と言えば、自宅デスクトップではIBM 84 Space SaverとKENSINGTON Expert Mouse(マウスという名称だけれどトラックボールです)で、ちょっととだけ少スペース化しています。会社ではHappy Hacking Keyboard 2を使っていますが、マウスは普通の光学式マウスです。

 自宅と会社のキーボードを交換すればcaramel-manさんにかなり近いセッティングになりますね。といっても、IBM 84 Space Saverは打鍵音が壮絶に喧しいので会社では使えません。



2004年8月17日火曜日

【今日の映画】リベリオン

ストーリィ : ★★ アクション : ★★★★☆ 映像 : ★★ 音楽 : ★

 《ガン=カタ》!! その一言に尽きますね。ストーリィは、特筆すべきものでは無いですし、世界の設定もかなり変です。建物とかは妙に未来っぽいのに、車は普通のセダンだったりするし。

 とにかくアクション――つまり《ガン=カタ》だけが見所と言っても過言ではないでしょう。細い事は気にしないで、ボケーっとアクションシーンだけ眺めていれば、それで楽しめます。しっかし《ガン=カタ》って阿呆っぽいネーミングですよねぇ。アクションにもその「阿呆っぽさ」が染み込んでいるのがウけます。弾丸がフルに残っている状態の銃を二刀流して銃握で相手を「殴り殺す」とか(銃身を握ってハンマか何かのように振るうのである)。突込み所満載なんですが、そういうのは全て「これが《ガン=カタ》なんだ」と納得しましょう。例え日本刀の佩き方が間違っていても、そいつが銃を持っていなくても《ガン=カタ》って事で。

 と、変な所も多々ありますが、やっぱりガン・アクションはこうでなきゃいけませんね。飛んだり跳ねたりしなくて良いから、兎に角撃つ(リベリオンのガン・アクションシーンでも多少は飛び跳ねますが、銃撃の比重が重い)。久しぶりに良いものを観ました。惜しむらくは映画館で観られなかった事でしょうか。



【今日の映画】CUBE

ストーリィ : ★★☆ アクション : (ゼロ) 映像 : ★ 音楽 : ★

 なにやら公開当時は話題作だったようですね。そんなに面白いとは思えないんですがどうなんでしょう。続編の2はケチョンケチョンに貶されているみたいです。

 ストーリィはあって無いようなものです。あるのは状況だけ。ただ自分の予測とは違ったプロットだったので、その点は驚きました。終わり方はとても良いと思います。こういう作品は余計な事を語ろうとすると、墓穴を掘る結果になるんじゃないでしょうか。行間なんて読者に想像させれば良いんです。



【今日の映画】アップタウン・ガールズ

 土曜日にtakesuの家に攻め込んで、DVDで映画を観つつダラダラしながら、ひもねす過すという大変有意義な時間の使い方をしてきました。まったり。その時4本映画を観たので順に感想を。といっても4本中1本は既に観た映画で、感想を上げているので今回は3本分になります。
 まずは題名通り『アップタウン・ガールズ』から。

ストーリィ : ★☆ アクション : (ゼロ) 映像 : ★ 音楽 : ★★

 ストーリィは凡庸だし、主人公(ブリタニー・マーフィ)は化粧のし過ぎでアップになると少々ビビる顔だしイマイチな映画でした。それでも子役のダコタ・ファニングは逸材ですね。彼女の演技はとても良かった。



【今日の読書】魔女が笑う夜/カーター・ディクスン/早川ミステリ文庫

 H・Mことヘンリー・メリヴェール卿が活躍するシリーズ。稀覯本という餌に釣られてフラフラとイギリスの田舎町までやってきH・M卿が、のっけからスラップ・スティックなコメディを演じてくれます。終始そのスラップ・スティックな雰囲気で物語は進むのですが、事件自体は陰湿なものです。

 場面転換が早く、次から次へと登場人物が入れ代わってはアクションをやってみたり、司教相手に泥合戦をしかけたり、つくづくカーという作家はエンタティナなんだな、と感じさせられます。当然そんなコメディだけで、お茶を濁すような事はありません。事件の中では、カーお得意の密室状況も出現します。

 相変らず登場人物のみならず読者までをも韜晦する態度で、のらりくらりと真相を最後まで語らない(ミステリとしては当然だけど)メリヴェールですが、今回は隠す理由も比較的納得できるものでした。

 しかしカーってミステリも好きだったんでしょうけれど、アクションやドタバタ劇も好きなんでしょうね。


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ClipDrive on Linux

 買おう買おうと思っていたUSBフラッシュメモリを漸く購入しました。BUFFALOのClipDrive RUF-C256/U2です。
 僕のメインマシンであるThinkPad X23にはUSB2.0のポートが無いので、特に転送速度が早い製品を選択する必要もなく、単に安い製品にしました。

 さて、これをLinuxで使うわけですが、とても簡単にマウントできます。まずはClipDriveを差した直後のdmesgを見て、どのポートとして認識されたかを確認します。大抵はscsi0かscsi1でしょう。で、以下のコマンドでマウントします。

# sudo mount -t vfat /dev/sda1 /mnt/usbmem

 /mnt/usbmemのディレクトリは予め作成しておく必要があります。sudo mkdir /mnt/usbmemで作成しましょう。毎回こんな長いコマンドを打つのは面倒なので、もっと簡単にマウントできるよう/etc/fstabに以下の行を追加しておきます。

/dev/sda1 /mnt/usbmem auto noauto,user 0 0

 もしroot以外ではマウントしたくない(させたくない)ならばnoautoの後の,userを削除すればOKです。



 1年ぶりくらいでしょうか。今月始まったSpelljammerキャンペーンのPC用メタルフィギュアを塗装しています。

 1年も塗装をしていないのは、D&D Miniatureにはまっていたから――ではなくて塗装道具を整理しキチンと仕舞ってしまったのが原因でしょう。塗装を始めると1、2週間は机上が「塗装モード」になり、とても散らかってしまい元の状態に戻すには半日がかりで片付けをしなければいけません。それが億劫なんですよね。

 しかしまあ、格好良く塗装されたメタルフィギュアを見るとムラムラと塗装欲が鎌首を持ち上げてくるものです。

 それにしても塗料を1年も放置しておくと駄目ですね。タダでさえシタデルカラーは瓶の造りが悪くて、使っている内に蓋がちゃんと締まらなくなるのです。幾つかの塗料は完全に水分が抜けて硬化していました。こうなると再度水に溶かす事もできません。
 自分自身もだいぶ劣化していますね。色の感覚を忘れてしまっています。A色とB色を混ぜてできるC色が想像できない、とか。グラデも全然綺麗に塗れないし、細かい筆使いの感覚もサッパリです。
 リハビリが必要ですね。

追記

 現在塗装しているメタルフィギュアはReaper社の2426 Aziz al-Jawarです。



2004年8月13日金曜日

【今日の読書】入門UNIXシェルプログラミング改訂第2版/ブルース・ブリン/ソフトバンクパブリッシング

 UNIX(或いはLinux)を使っていれば、いつか必ず出逢うことになるシェルプログラミングの入門書です。決定版と言ってしまっても過言ではないでしょう。

 一口にシェルと言っても、bashやtcsh、Korn shellやzsh等、様々なものがあります。当然シェル毎に使える文法は異なります。そんな中で本書では、UNIXであればどんなシステムにでもデフォルトでインストールされているBourne shellこと/bin/shを主題にしています。つまり、この書籍を読んで覚えたテクニックは、汎用的であり活用できる範囲が極めて広いのです。

 それだけでなく、tcshのような(Bourne shellを基本とするならば)特殊なシェルでの書き方も適宜紹介しています。またSystemV系とBSD系のコマンドの動作が異なる部分も、例題のシェルスクリプトの中で差異を吸収するように考えられています。

 こういったプログラムの書籍を読む場合の常ではありますが、読む時は例示されているソースプログラムを斜め読みしたりせず、一行一行意味を噛みしめながら進みましょう。可能ならば自分で入力して実行してみるべきです。そうすれば、本書を読み終えた時にはシェルプログラミングの基礎は身に付いている筈です。


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2004年8月12日木曜日

プロの道具!?

 『山田祥平のRe:config.sys 希薄化するオリジナルの存在感』(PC Watch)に、山田さんが原稿を書く時の環境について少し触れられていました。

 ぼくは、この原稿を書くために、シェアウェアの秀丸エディタを使っている。執筆時は、横20字のウィンドウ幅で、表示は13.5ポイントのSystemフォントだ。その見かけはゴシック体に近い。さらに、行間は1/2ピッチと、多少広めに設定している。

 横20文字(多分double byte codeで数えているので、横40byte)って狭っ。同じ環境にしてみましたが……、一覧性に欠けるレイアウトだなあ。一般的な原稿用紙合わせのレイアウトなんでしょうけれど、横80byteに慣れた僕には辛いです。

 秀丸エディタを使っているライタさんは多いですね。Windows上で原稿を書いているライタさんの50%以上は秀丸エディタなんじゃないでしょうか。次点でWzかな。日本語変換ソフトはATOKがダントツで、70%を超えているでしょう。Linux系の書籍のライタさんは、そもそもWindowsを使わないしMeadowやJVimという人は殆んど見かけませんでしたね。

追記

 僕自身はLinux上ではエディタにEmacs 21.3.50.1(12dotフォント、行間3dot、1行80byte)、日本語変換ソフトにはSKK12.2.0を、会社のWindowsマシンではエディタがMeadow2.00(12dotフォント、行間3dot、1行80byte)、日本語変換ソフトはSKK12.2.0を使っています。

 みなさんは、どんなエディタを使っていますか?



徐々に衰える肉体を感じる夏

 転職してからと言うもの、毎週確実に運動する生活をしています。今年の5月からはスポーツジムにも通い初めました(単にジムと書くと連邦軍の量産型モビルスーツを真っ先に思い浮かべる人が多いだろうから気を付けよう)。
 だいたいバドミントンは週2-3、スポーツジムにも週2-3で通っています。両者が重なる事はないので、少なくとも週4回、多い時ならば6回も運動している事になります。

 最近は暑くなってきたので、スポーツジムでトレーニングする前の準備運動をサボっていたのですが、やっぱり駄目ですね。外気が暖かくても、やっぱり筋肉や関節はさして暖まっていません。自業自得だけれど肩と膝が痛い……。中学生の頃は夏になれば準備運動なんて不要だったんですけどね。

 スポーツジムに通う人は、ほぼ2種類に分ける事ができます。
 一番多いのは、体重を減らす又は現在の体重(体型)を維持する事を目的にしている人達。この集合の7割くらいは女性でしょう。この集合に属する人は、特定の部位を鍛えるトレーニングマシンよりは、エアロビクスや水泳、ルームランナ等を使ったトレーニングといった消費カロリィの高い運動を好むようです。
 もう一方は、筋肉を付ける事を目的にしている人達。アマチュア・ボディビルダというような人達です。殆どが男性でしょう。露出が多くなる夏に向けて「他人に見せて恥かしくない」肉体を造りたい人もこの集合ですね。この人達は前者とは逆で、エアロビクスやルームランナには全く興味を示さず、ひたすらトレーニングマシン、です。上級者(ある程度筋肉の付いた人達)はフリーウェイトに流れます。

 僕自身はどちらかと言えば後者に近いのですが、それとも違う集合に属しています。僕にとって筋肉を付ける事は目的ではなく、手段だからです。つまりバドミントンが上達する為に筋力アップを図っているのです。こういう人も小数ではありますが、スポーツジムに通っています。

 最近、漸く腹筋が割れるようになってきました。なんとか中学時代の筋肉に戻った感じです。先は長い。



2004年8月11日水曜日

 次号の月刊TRPG.NETは「電子機器の活用法」特集なんですが、微妙に困っているんですよね。

 僕自身は毎回セッションにノートパソコンを持って行っています。キャラクタシートも表計算ソフトで管理していますし、FAQやErrataもPDFで閲覧しています。でも……使っているOSがLinuxなんですよね。だから、これを活用するノウハウを紹介した所で、殆どの人には意味が無い。開き直ってエヴァンジェリストっぽく書くか。

 微妙ですね。



2004年8月10日火曜日

【今日の読書】UNIXプログラミング環境/Brian W. Kernighan、Rob Pike/アスキー出版

 稀代のハッカー2人が、UNIXに於けるプログラミングを取り巻くさまざまなツールについて解説しています。

 基礎編に当たる前半4章では、ファイルやディレクトリの扱いやiノードの概念といったファイルシステムの構造の説明、パイプやリダイレクトを使ってコマンドを便利に使う方法、grepやsed、awkといったフィルタの具体的な使用法に触れています。

 応用編と言える後半では、シェルプログラミングによって新しい独自のコマンドを作る方法、C言語を使ったプログラミング、更にUNIXのシステムコールにに触れ、最終的にはyaccとlexを使って簡単なインタプリタを作成するに至ります。

 前半はUNIX初心者が読むと非常にタメになる内容で、UNIX(やLinux)を使う上て即座に役立つ事柄ばかりです(特にフィルタは便利)。他方で後半はプログラムにある程度通じていなくては理解する事ができないでしょう。ことシステムコールからは難易度が飛躍的に増します。

 本書を読む上で、とても重要な事が1つあります。

 それは、書籍に書かれているコマンドなりプログラムを実行できる環境が、目の前にある状態で読む事、です。こういった事柄は、ただ読むだけでは記憶に残りません。必ず手で動かして、少しはエラーにぶつかって試行錯誤しながら読むと効果的です。


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 2C/3+(B+W)/6=ではDivine Oracle狙いのキャラクタでしたが、その後趣向を変えてDungeon #92 / Polyhedron #151に掲載されていたSpelljammer用Prestige ClassであるSpelljammer Aceを目指す事にしました。キャラクタ自体はFeatとSkillが少し変わっただけです。

 Spelljammer Aceは名前の通り、Jammper Shipのパイロットとしての能力に特化したClassです。本来はWiz系のPrestige Classですがパーティ内のWiz(Conj)は興味が無かったようなので、折角だしやってみる事に。Mouqolの司祭で商人なパイロットってなんか変ですけど。

 しかしまだJammer Shipを入手していないんだよなぁ……。

追記

 そう言えば、最終的にパーティは以下のような構成になりました。

  • Gray elf, Conj4(UA Variant): 前衛生成装置
  • Human, Artificer1/Targetteer3: Gunner
  • Human, Cloistered Clr of Mouqol4: 交渉役兼未来のパイロット
  • Mul, Thug1/Ninja2(Dragon#318): 忍ばない居合忍者
  • Warforeged, Artificer4: 前衛, ウルトラマン
  • Human, Brd/Martial/Spirit Shaman: 船長候補, 初回は不参加


2004年8月9日月曜日

課題図書

 最近読みたい技術書が多くて困ってます。UNIX、Linux系書籍に限っても26冊(中には技術書と言い難いものやUNIX、Linux系と言えない書籍も多少ありますね)。

  • 書名/著者/ISBN/税込価格
  • AWKを256倍使うための本/志村拓/4-7561-0162-3/1223
  • BSDを256倍使うための本/宮川晋/4-7561-0306-5/1223
  • Code Reading/Diomids Spinellis/4-8399-1265-3/5460
  • Emacs Lispで作る/淵野昌/4-535-60021-X/2625
  • LaTex2e美文書作成入門 改訂第3版/奥村晴彦/4-7741-1940-7/3129
  • Linuxを256倍使うための本 改訂新版/生越昌己/4-7561-1098-3/1260
  • Linuxデバイスドライバ第2版/Alessandro Rubini、Jonathan Corbet/4-87311-081-5/5775
  • Lion's Commentary on UNIX/John Lions/4-7561-1844-5/3990
  • Make 改訂版/Andrew Oram・Steve Talbott/4-900900-60-5/1890
  • PC-UNIX練習帳/大村正道/4-87593-414-9/1995
  • Perlを256倍使うための本/川合孝典/4-7561-4058-0/1260
  • UNIXという考え方/Mike Gancarz/4-274-06406-9/1680
  • UNIXの1/4世紀/Peter H. Salus・Quipu LLC/4-7561-3659-1/2520
  • UNIXデバイスドライバ改訂版/Janet I. Egan・Thomas J. Teixeira/4-7561-0286-7/3873
  • たのしいUNIX/坂本文/4-7561-0785-0/1937
  • ソフトウェア作法/B.W.Kernighan/ISBN/5040
  • プログラミングLinux/Michael K. Johnson・Erik W. Troan/4-7561-2044-X/6090
  • プログラミング言語AWK/A.W.K./4-7753-0249-3/3465
  • プログラミング言語C 第二版/B.W.カーニハン、D.M.リッチー/4-320-02692-6/2940
  • プログラミング作法/B.W.Kernighan・Rob Pike/4-7561-3649-4/2940
  • プログラム書法 第2版/B.W.Kernighan/4-320-0208505/3150
  • 初めてのPerl第3版/Randal L.・Schwartz・Tom Phenix/4-87311-126-9/3780
  • 詳解UNIXプログラミング/W.R.スティーヴンス/4-89471-319-5/8190
  • 詳細正規表現 第2版/Jeffrey E.F.Friedl/4-87311-130-7/5670
  • 新The UNIX Super Text(上)(下)/山口和紀他/4-7741-1682-3, 4-7741-1683-1/3654,3864

 合計88,623円……流石に技術書は高いですねえ。読書スピードよりも金額に問題があるなこれは。

追記

 しっかしこの課題図書一覧を見ると、僕が如何に無知かがバレてしまいますね。だいたいCメインのプログラマなのにK&R(『プログラミング言語C 第二版』の事)すら読んでいないし。



2004年8月6日金曜日

I hit an alphabet

 僕はキーボードというデヴァイスが好きなので、どちらかと言えばキーボードに拘っている方です。現在僕が利用しているパソコンは、デスクトップが1台、ノートパソコンが1台だけなのに、キーボードは5つも持っている程です。

 そんな僕なので、いろいろなウェブサイトに掲載されているキーボードのレビューや使用感想を良く読みます。そういうレビューを読んでいると

文字を打つのが楽しくなるキーボードですね。

というような文句を見かけます。しかしこれって変な表現ですよね。打つのは文字ではなくてキーなんですから。

 キーを打ったら、画面に文字が出力されるじゃないか、という反論がありそうですが、それは、キーボードからデータ(キーコード)を受け取って、それが文字に当たるキーコードならば、該当する文字を表示するプログラムを使っているからに他なりません。
 例えばAcrobat Readerを起動して、適当にアルファベットのキーを打鍵しても何も表示されないですよね。それにキーの中には、そもそも文字に該当するキーコードを出力しない制御キーもあります(ShiftやCtrl、Altと言ったキーですね)。

 せめて「文字を入力するのが楽しくなるキーボード」とかなら気にならないんですが……。僕って細かすぎます?



one dollar is here.

 昨日書いた対消滅した1ドル紙幣の解答です。トラックバックして下さったShirak!<シラク>の綾辻守人さんは、


このあたりの巧みなレトリックの罠に騙されているような気がします。

と書いていますが、まさに卓見です。昨日掲載した問題文には、レトリック(文章技術)の罠が仕掛けられています。
 具体的には、最後の2センテンスですね。つまり


3人の旅人は、ボーイから1ドルずつ返してもらったので、9ドルずつ払ったことになり、9ドル×3人で27ドルです。ボーイのポケットの中の2ドルを足すと、29ドル。さて、残りの1ドルはどこへいったのでしょうか?

です。特に最後の一文は狡いという他無いでしょう。

 さて、解答ですが、非常に簡潔に書くと

「1ドルはどこへもいっていない」

となります。これだけでは分かり難いかもしれないので、説明しましょう。



 まず、問題文で提示された「場」には合計で30ドルのお金しかないものとします(その30ドルを誰が持ってるに関わらず)。そうして、問題文を4つの時系分割し、その時系列に沿って30ドルの流れと、その所持者を見ていきましょう。

初期状態:旅行者がホテルに入る前
旅行者1=$10、旅行者2=$10、旅行者3=$10、オーナー=$0、ボーイ=$0
状態2:それぞれの旅行者が10ドルずつ合計30ドルをオーナーに支払う
旅行者1=$0、旅行者2=$0、旅行者3=$0、オーナー=$30、ボーイ=$0
状態3:旅行者に余剰分を返却する為にオーナーがボーイに5ドル渡す
旅行者1=$0、旅行者2=$0、旅行者3=$0、オーナー=$25、ボーイ=$5
最終状態:ボーイが旅行者1-3に、それぞれ1ドル返却する
旅行者1=$1、旅行者2=$1、旅行者3=$1、オーナー=$25、ボーイ=$2

 はい。1ドルは何処にも消えていませんね? まだ納得できませんか? 金銭に+-の符号を付けると分かり易いでしょう。最後のパラグラフで

3人の旅人は、ボーイから1ドルずつ返してもらったので、9ドルずつ払ったことになり、9ドル×3人で27ドルです。

と説明されていますが、この27ドルは旅行者から見るとマイナスのお金です(それぞれの財布から9ドル減った訳ですから)。逆に、ホテル全体(オーナー+ボーイ)にとってはオーナーが得た25ドルとボーイが得た2ドルはプラスのお金で、合計+27になります。

 旅行者側をマイナスの系、ホテル側をプラスの系は、それぞれ独立して金銭の流れを考えなければいないのです。両者を天秤のそれぞれの片方だと考えると良いでしょう。マイナスの皿には負の数を乗せると沈み正の数を乗せると浮きます。他方でプラスの皿には正の数を乗せると沈み負の数を乗せると浮く特殊な天秤です。

 最終状態だと、この天秤は-27=+27という状態で釣合っています。問題文では、プラス皿から+2をマイナス皿に移しているにも関わらず、-25=+25という状態にならず、あたかも-29=+25という状態になるかのように表現しているのです。

 なんか上手く説明できませんが、分かってもらえたでしょうか。


2004年8月5日木曜日

対消滅した1ドル紙幣

 3年位前でしょうか、女の子とデートしてショットバーに行きました。その時、そこのメニューを見ていた女の子が、なにやら最後のページに釘付けになっています。どうやら、そこにはちょっとしたクイズが掲載されていて、それに正解するとカクテル1杯サービスらしいのです。その時のクイズはこんな感じでした。


 ある所に3人の旅人がいました。
 彼女らはホテルを見つけて、そのホテルのオーナーに宿泊料金をたずねると、オーナーは「3人部屋で30ドルです」と答えました。そこで、旅人はひとり10ドルずつ払って、そのホテルに泊まることにしました。
 しばらくして、オーナーは3人の旅人の泊まっている部屋の料金は、本当は25ドルだったということに気付きました。そこで、ボーイを呼んで「あの3人の旅人に、この5ドルを返してきておくれ」と頼みました。
 ボーイは、3人に5ドルを返しても割り切れないと思い、自分のポケットに2ドルしまい込み、残りの3ドルを、3人の旅人に1ドルずつ返しました。3人の旅人は、ボーイから1ドルずつ返してもらったので、9ドルずつ払ったことになり、9ドル×3人で27ドルです。ボーイのポケットの中の2ドルを足すと、29ドル。さて、残りの1ドルはどこへいったのでしょうか?

 冷静に考えれば、簡単に解ける問題ですが、酩酊した頭で考えとグチャグチャになって解きにくい類の問題ですね。その時は当然、飲酒していたのでなかなか思考がまとまらず、パッと答えが浮びませんでした。エエ格好しいの僕は、平然とした表情を装いながら必死に考えて、なんとか3分程度で正解し体面を保ったのです。

 暇な時にでも考えてみて下さい。回答は明日にでも書きます。



 ざっくりと作成してみたSpelljammerキャンペーン用のキャラクタです。なんかClrに2/3をかけ、BrdとWizを足し6で割ったモノを加算したようなキャラクタになってしまいました。

Dian Cecht, Human, Male, AL N
Cloistered Cleric of Mouqol 4
Str07, Dex10, Con14, Int14, Wis18+1(Level up), Cha12; aging to middle age
HD: 4d6+8(24)
BAB/Grapple: +2/+1
ST: Fort+6, Ref+1, Will+8
Init: +0
Speed: 30ft.
AC: 15(+4armor, +1shield)

Feat: Skill Focus(Knowledge:Religion), Scribe Scroll, Divine Metamagic

Skill: Bluff7, Concentration7, Diplomacy7, Knowledge(Arcane)1, Knowledge(Religion)7, Knowledge(Nature)5, Knowledge(the Planes)1, Knowledge(Architect)5, Knowledge(Dungeonniering)1, Knowledge(History)1, Knowledge(Geography)1, Knowledge(Local)5, Knowledge(Psionics)1, Knowledge(Space)7, Spellcraft7

Special: Lore(as Bardic Knowledge), Domain(Knowledge, Travel, Trickery), Turn Undead(4/day)

Possessions: Material Component Pouch, Divine Focus for Augury, Chain Shirt, Masterwork Light Shield(wooden), Morningstar, Light Crossbow, Heward's Handy Haversack, Wand of Cure Light Wounds(50 charges), Scroll of Cure Serious Wounds, Fly, Prayer, Invisibility*2, Augury*2, Remove Paralysis*2, Align Weapon*2, Lesser Restoration*2, Silence*2, Longstrider, Bless*2, Remove Fear*2, Obscuring Miste, Shield of Faith*2

Comment: 白兵/射撃共に戦闘能力は全くありません。パーティにWizが居ないので、Arcane Spellの中でも重要な移動系呪文の提供(もうちょっとレベルが上がってからの話ですが)と、Knowledge Skill及びLoreによる情報収集能力とDiplomacy、Bluffによる交渉能力の提供が主たる役割だと考えています。攻撃的な呪文もあまり無いので、戦闘中は後手なキャラクタです。目指すはDivine Oracle。



2004年8月4日水曜日

 今週末の土曜日(2004年8月7日)から、うちのグループでDungeon Magazine #92に掲載されたデータを利用した、Spelljammerキャンペーンが始動します(僕はDMではありません)。その為にキャラクタを作成しているのですが、なかなか案が固まりませんねぇ。なんか他の参加者の希望を聞いたら、みんな無茶苦茶なネタキャラを仕込んでいるんですよ。プレイヤ6人もいるのに、キャスタが居ないし。

 流石にClrの存在しないパーティで冒険する気にはなれないし、最近Clrはプレイしていなかったので、僕はClrにするつもりです。現段階で参加者から出ているキャラクタ案を並べてみると……

  • Ftr3/Artificer1のFirearm使い
  • Martial/Brd/Spirit Shamanの索敵担当
  • Soulknife/Mnk/Ninja(from Dragon#318)な軽戦士
  • Kynton

となります。ちなみに初期経験点は6600xpなので、ECLは4スタート。

 っていうかKyntonってDevilじゃないですか。確かにPlanar HandbookでPowerful Raceとしてデータが掲載されたのでキャラクタにできるけど。素直にDivine Oracle目指しのCloistered Clr of Mouqolとかやろうとしている僕が馬鹿なんだろうか(Kynton PCが来る事を期待してTrue NautralなDeityを選んだのは秘密だ)。

 最初はせっかくの宇宙モノだし、ロボットのクルーが居ないと画竜点睛を欠くよなぁ、と何か勘違いしてTechsmith狙いのCloistered Clr of Gond(with Initiate of Gond)を作成したのですが、

  • Gondsman(Techsmithになると得られるConstructの部下)が弱い。
  • Initiate of GondのFeatでDisable DeviceがClass Skillになるものの、Searchは依然としてCloss Class Skillだし、そもそもTrap Findingの能力が無いのでTrapを発見できない。

という欠点があり、没。

 悩ましい。



【今日の読書】赤い鎧戸のかげで/カーター・ディクスン/早川ミステリ文庫

 ヘンリー・メリヴェール卿が活躍するシリーズ。
 H・M卿は故郷イギリスを離れ、慰安を求めて北アフリカはタンジールに向います。そして到着するやいやな、物語の要請に従ってドタバタに巻き込まれるわけですが、今回はH・M卿がかなり悪ノリしていて笑えます。ちゃんとミステリしているのですが、どことなくスラップスティックな雰囲気を帯びています。

 それでもカーは流石というか、犯人は極めて以外な人物でした。犯人特定への道のりは、それなりに納得できるものになっています。そう言えば、珍しくハウダニットではなくてフーダニットなんですね。

 他方で、密室から消え失せる鉄の箱に関する謎はなかなか面白かったのですが、これを読んでますます感じたのは「ミステリってやっぱりトリックじゃなくてレトリックなんだな」という事。僕等読者は犯人の仕掛たトリックに騙されているんじゃなくて、作者が仕掛けたレトリックに騙されているんですよね。


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2004年8月3日火曜日

Vine Linux 3.0

 Vine Linux 3.0が漸くリリースされました。

 Vineはいち早く日本語化に取り組んだディストリビューションで、日本では一時Red Hatに次ぐくらいのシェアを持っていましたが、メジャ・ヴァージョン・アップが遅くて気が付けばメンテナも減ってしまって元気がありませんでした。

 今回のヴァージョン・アップで、以前から問題になっていたgccやglibcもマシなものになり、初心者にオススメのディストリビューションとして再浮上しましたね。しかしデフォルトのWindow Manager(と言うよりDesktop Environmentだけど)がGNOMEになったのが、残念な所です。以前のままWindowMakerでいてほしかった。とは言え、リッチ・デスクトップ化は流行なんで仕方がないのでしょう。Pentium 4の2GHzとか積めば、GNOMEでも速度が気にならないのかもしれません。僕がCPUのクロック周波数が1GHz超えるマシンを持っていないから、GNOMEとかKDEを嫌うんだろうな。

 VinePlusがあるとは言え、相変わらずCD-ROM1枚に収まっているのは偉いですね。



Meadow 2.00

 会社のWindows 2000にMeadow 2.00を入れてみました。

 ノートパソコンではEmacs 21.3.5を使っているので、Meadow 1.1xよりは違和感なく使えています。どうも2004年7月7日にリリースされたMeadow 2.00はそれ以前のMeadow 1.1xよりも安定しているようです。心なし起動も早くなったような気がします(気のせいかなぁ)。

 後はEmacs 21.3.5では取り込まれたUTF-8とかのコーディングシステムへの対応を、Meadowにも組み込んで欲しいですね。Mule-UCSは重過ぎ。



【今日の読書】哲学マップ/貫成人/ちくま新書

 哲学の興りから、現代に至る哲学の流れを初心者にも分かりやす説明してくれる入門書です。平易なアナロジィを使って哲学の概念を説明している点に好感が持てます。中でもヘーゲルの弁証法の説明は、身近なアナロジィだったので非常に理解が進みました。

 何より、この本で評価したいのは最後に収められた読書案内でしょう。参考文献を羅列している書籍はたくさんありますが、一見して内容の分からない参考文献一覧を見て、更に調査しようという人は多くありません。しかしながら本書のように、筆者自ら読者の興味に合わせていろいろな入門書の内容を紹介してくれれば、更に勉強したい人には嬉しい限りでしょう。

 他方で残念な点もあります。本書では、幾つか図が提示されているのですが、それが本文ではあまり活用されておらず、読者が本文を読み勝手に解釈し内容と結び付けるしかありません。
 とは言っても、本書が哲学という学問を俯瞰するのに役立つ事は間違いありません。


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